戦うZ GT4も登場! 新たな「Z」神話の幕が開ける|フェアレディZの足跡を振り返る【後編】

フェアレディZ50年の歴史を振り返る

       

日本が世界に誇るスポーツカー、それがフェアレディZだ。「Z」はアルファベット最後の文字で、「究極の」、「最高の」フェアレディを意味する。1969年10月の発表で鮮烈なデビューを飾ったフェアレディZは、世界中で数々の伝説を生み出した。そして2019年10月、生誕50周年の節目を迎えた。スポーツカーの枠を超えて自動車史にさん然と輝く偉業を成し遂げたフェアレディZ、その足跡と果たした役割は!?

【フェアレディZの足跡を振り返る 後編】

3ナンバーボディーのZ32 300ZXに世代交代するのは89年7月だ。4代目は最先端のメカニズムを積極的に導入した。エンジンは3LのVG30DE型V型6気筒DOHCとDOHCターボだ。サスペンションは4輪マルチリンクで、4輪操舵のスーパーHICASも採用している。92年夏には爽快なコンバーチブルを仲間に加えた。

21世紀のフェアレディZは、02年夏にベールを脱いだ。Z33と呼ぶ350ZXで、03年にロードスターも追加している。08年暮れに6代目が3.7LのV型6気筒DOHCで登場。さらにRZ34のプロトタイプが20年に、そして21年夏に北米仕様、22年初頭に日本仕様が公開された。現在も第一線で活躍を続けている。

【画像16枚】1969年から2023年まで、フェアレディZ50年の歴代モデルを振り返る



1989年7月 Z32フェアレディZ発売


平成が始まった89年の7月にZ32フェアレディZがベールを脱ぐ。4代目はヨーロッパの一流スポーツカーを超えることをめざし、最先端のメカニズムを意欲的に導入した。また、ボディサイズも小型車枠を超えたワイドボディとなっている。エンジンは3LのV型6気筒DOHCだけに絞り込み、NAとツインターボの設定だ。サスペンションは4輪とも革新的なマルチリンクで、これに4輪操舵のスーパーHICASを組み合わせている。92年夏にオープンモデルを復活させ、その後は安全対策に意欲的に取り組んだ。生産を終了し、休眠するのは2000年のことである。




2002年7月 Z33フェアレディZ発売

カルロス・ゴーンの号令のもと、新世代のZ33フェアレディZが登場するのは2002年7月である。日産リバイバルプランのけん引役として350ZXが登場し、新たなZ神話の幕が開いた。デザイン、コンセプトともに初代に立ち返り、2シーター、NAエンジンだけの設定としている。FR-LプラットフォームによるFMパッケージを採用し、空力性能も磨いた。エンジンは3.5LのVQ35DE型で、6速MTとマニュアルモード付き5速ATを設定する。03年11月にロードスターを加え、04年1月には生産拠点を栃木工場に移管。07年1月にはエンジンをVQ35HR型に換装した。



2008年12月 Z34フェアレディZ発売

2008年12月に6代目のZ34フェアレディZが発売された。高性能化がトレンドとなっているためエンジンの排気量を200cc増やし、3.7LのV型6気筒DOHCとしている。また、運動性能を高めるため、先代よりホイールベースを100mmも縮めた。エンジンはV36スカイラインクーペと共通のVQ37VHR型だ。VVELを採用して336ps/37.2kg-mを発生する。トランスミッションはシンクロレブコントロール採用の7速ATと6速MTだ。09年10月には電動開閉式のトップを備えたロードスターを追加する。また、専用チューンを施したNISMO仕様も登場した。



2022年1月 RZ34フェアレディZ日本公開

2022年1月14日に、東京オートサロン2022の会場でRZ34フェアレディZ、その日本市場向けのモデルを初公開した。併せて特別仕様車の「Proto Spec」を発表。新開発のVR30DDTT、3リッターV6ツインターボエンジンを搭載。最高出力405PS(298kW)、最大トルク48.4kgf・m(475N・m)と、出力を大幅に向上させながら、シャープでスムーズなレスポンスを実現した。組み合わされるトランスミッションは6速マニュアルと新開発の9速AT。2022年9月には日産/NMCよりカスタマー向けのレース車両となるNissan Z GT4を発表、モータースポーツとのつながりという伝統を継いだ。2023年8月には2024年モデルを発表。フェアレディZ NISMOを追加している。


【前編】から続く


初出:ノスタルジックヒーロー 2019年4月号 Vol.192
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


フェアレディZの足跡を振り返る(全2記事)


関連記事:Zの名を残すもの

関連記事: 旧車と共に歩んだ30年

関連記事:フェアレディZ

text:Hideaki Kataoka片岡英明 photo:NissanMotor co.ltd./日産自動車

RECOMMENDED

RELATED

RANKING