心臓は上質な2Lの直列6気筒からスタート。「Z」50年の歴史|フェアレディZの足跡を振り返る【前編】

フェアレディZ50年の歴史を振り返る

       

日本が世界に誇るスポーツカー、それがフェアレディZだ。「Z」はアルファベット最後の文字で、「究極の」、「最高の」フェアレディを意味する。1969年10月の発表で鮮烈なデビューを飾ったフェアレディZは、世界中で数々の伝説を生み出した。そして2019年10月、生誕50周年の節目を迎えた。スポーツカーの枠を超えて自動車史にさん然と輝く偉業を成し遂げたフェアレディZ、その足跡と果たした役割は!?

【フェアレディZの足跡を振り返る 前編】

フェアレディZは、フルオープンのフェアレディの後継として1969年10月にベールを脱いだ。四季を通して快適で速い走りを実現するためにクローズドボディを採用した。心臓は上質な2Lの直列6気筒で、Z432はS20型DOHC4バルブを積む。海外向けのダットサン240ZはL24型直列6気筒SOHCを積んでいたので、71年10月に240Zを投入。日本専用モデルの240ZGも設定する。74年1月には後席を加えた2by2を送り込んだ。

78年8月、2代目のS130系フェアレディZへとバトンタッチ。2Lモデルに加え、2 ・8LのL28E型エンジン搭載の280Zが登場する。80年秋にTバールーフを加え、82年10月にはターボ搭載車も誕生した。83年9月には3代目のZ31フェアレディZがデビューしている。搭載するのはVG系のV型6気筒SOHCターボだ。最初は、2Lエンジンの200ZXと3Lエンジンの300ZXが用意された。85年11月にRB20DET型直列6気筒セラミックターボ搭載車を送り込んだ。

【画像16枚】1969年から2023年まで、フェアレディZ50年の歴代モデルを振り返る



1969年11月 S30フェアレディZ発売

69年10月18日、記念すべき新世代のスポーツカーが誕生した。車名は「フェアレディZ」で、ロングノーズにファストバックの流麗なクーペボディを採用している。エンジンは上質なパワーフィールの直列6気筒だ。日本は2Lだけの展開で、L20型SOHCを主役とした。だが、フラッグシップのZ432はGT-R譲りのS20型DOHC4バルブを積む。71年11月、2.4LのL24型直列6気筒エンジンを積む240Zシリーズを国内市場に投入した。日本専用モデルの240ZGは、Gノーズにオーバーフェンダーの精かんないで立ちである。74年には2by2を仲間に加えた。


1978年8月 S130フェアレディZ発売

大ヒットを飛ばしたフェアレディZは、78年夏に2代目のS130フェアレディZになる。厳しい排ガス規制を乗り切るため、キャブに代えて電子制御燃料噴射装置のEGIを装着した。また、2Lモデルに加え、2.8LのL28E型直列6気筒SOHCエンジン(155ps/23.5kg-m)を積む280Zも登場。エクステリアは初代モデルの流れを汲むダイナミックなデザインだ。4輪ストラットのサスペンションのリアは新設計のセミトレーリングアームとなり、パワーステアリングも標準装備とした。80年秋にTバールーフが加わり、82年10月には待望のターボ搭載車が誕生する。



1983年9月 Z31フェアレディZ発売

83年9月にモデルチェンジし、Z31フェアレディZが登場する。3代目はデザインもメカニズムも一新し、長いノーズの先端にセミリトラクタブル式ヘッドライトを装備した。エンジンは新世代のVG系V型6気筒SOHCターボだ。2Lの200ZXと3Lの300ZXがあり、3LのVG30ET
型エンジンは230ps/34.0kg-mを発生する。ATは4速に進化した。84年8月にTバールーフを復活させ、85年11月にはRB20DET型DOHCに世界初のセラミックターボ採用の200ZRを投入。86年秋には外観を大きく化粧直しし、VG30DE型V6DOHCの300ZRを設定する。


【後編】へ続く


初出:ノスタルジックヒーロー 2019年4月号 Vol.192
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


フェアレディZの足跡を振り返る(全2記事)


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text:Hideaki Kataoka片岡英明 photo:NissanMotor co.ltd./日産自動車

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