コースレコード 1分53秒637!! その足回りのセッティング【2】OS TC24 Z最速の秘密に迫る!

オーバーフェンダーは、フロント+8cm、リア+10cmのサイズ。トレッドが広がり、コーナリング時のスタビリティーが格段に高まった

       
「TC24-B1Zで旧車チューンドの頂点に立つ」。OS技研のクラシックカーレース参戦プロジェクトは2014年秋に始動した。それから4年半、「オカザキスピードTC24 Z」は念願の頂点に。予選タイムは昨年のコースレコードから2.6秒上回る1分53秒637をマーク。最高速度は289km/hに達した。優勝を絶対的な使命とした決勝も、序盤以降はペースダウンしての余裕の勝利。それにしても、他を圧倒するあの速さはどこからくるのか。ここでは最速の称号を手にしたOS TC24 Zの詳細を徹底解剖する!

【OS TC24 Z最速の秘密に迫る! Vol.2】

【1】から続く


「TC24を搭載してのレース活動。これにはOS技研創業者である岡崎正治の熱い思いがあります」。チーフエンジニアの富松拓也さんは続ける。

「6気筒エンジンのTC24‐B1Zは、1981(昭和56)年に発表したTC24‐B1が原型で、バルブサイズやバルブアングル、燃焼室形状は当時のままで、動弁系を小改良して、当時より信頼性を高めたエンジンです。なので、燃焼に関する基本的な部分は全く当時のままで、この燃焼室のエンジンが、約40年経過した今も、クラシックカーレースといえどもエンジン熟成が進んでいるので、通用するのか確認したいという、岡崎正治が長年思っていた夢を走らせるという大きなテーマがありました。『最大点火時期=28度』、これがこのTC24‐B1Zのすべてを物語っているといっても過言ではありません」

 また、足まわりを「トレース」の渡海正雄代表に一任したことも要因だ。

「サスペンションだけでなく、デフやブレーキのセッティングまで、トータルでマネジメントしてもらいました。単純にいい足ではなく、このクルマが必要とする足に渡海さんは仕上げてくれています。煮詰める時間がほとんどない中、なんとか勝ちに行ける状態にできたのも、レース経験が豊富な渡海さんの存在があればこそです」

 本来の性能を発揮したエンジンと、それを生かし切れたシャシーの性能。

「煮詰めれば1分50秒台は確実だと思う」と、足まわりを手がけた渡海代表。驚がくのタイムを出してなお、OS TC24Zの伸びしろはまだまだまだある。

>> 【画像54枚】吸排気系などを変更したTC24‐B1Zや、ワイドトレッド化等により、トラクションが向上したOS TC24 Zなど

text:DAISUKEISHIKAWA/石川大輔 photo:RYOTA-RAWSHIMIZU(FOXXBOOKS)/清水良太郎(フォックスブックス)

RECOMMENDED

RELATED

RANKING