欧州育ちの“車種別専用”。世界を股にかけて研ぎ澄ました造形美。 アウディR8×BBS FI-R

メイクオーバー アウディA8×BBS FI-R/モータースポーツの技術を取り入れて強度、剛性と軽量性を両立

       

日本が誇る世界最高峰の鍛造技術を基に、欧州のモータースポーツが研ぎ澄ました造形を。
BBS FI-Rは究極的な車種別専用モデルだ。
それは日本で成長するアウディR8と抜群に調和していた。  

【画像7枚】BBSのアルミホイール FI-Rを履いたアウディ A8

全身くまなくバランスイット製カーボンボディパーツで武装したアウディR8 V10に、BBS製FI‐Rが収まっている。
遊びゴコロを含ませたハイセンスなカスタムで知られるアウディ専門チューナー、メイクオーバーが仕上げた1台だ。

フラッグシップにあるR8に対して彼らは、かねてより特別な敬意を表して入念に作りあげてきた。サーキットを徹底的に走り込んで開発したバランスイット製ボディパーツは、精緻で知的なムードを持つアウディらしさを失っていないのがいい。サーキットマシンとしてより硬派なR8へと導くのなら、GTウイングやロールケージなどのアイテムも揃う。

最高出力にして620psというV10エンジンを持つスーパースポーツであっても、普段使いでの気苦労はほぼ感じられない。高い日常性を持つのがスーパーカー専門メーカーではないアウディR8の美点でもある。その多様性をさらに研ぎ澄まそうと、ストリートからサーキットまでマルチな才能を発揮するこの1台だからこそ、並大抵のホイールでは力不足だ。だからこそ冒頭で触れたように、バランスイットはFI‐Rにたどり着いた。

隣り合うスポークをY字状に交わらせたクロススポークを絶対としてきたBBSにとって、この造形は新時代の幕開けを感じさせた。
超超ジュラルミン鍛造製法を持つRI‐Dをはじめとする5本クロススポークである。
それはメッシュとくくられてきた既存のBBS像とは一線を画すものだ。


>>スポーク縦断面にはえぐりが加わった上に複数の穴あけ加工が施される。ボルトホールの位置やキャリパークリアランスなど、いかにも車種別専用設計であることを感じさせる。


その流れを汲んだのがFI‐Rである。超超ジュラルミン鍛造製法をストロングポイントとしたRI‐Dに対して、FI‐Rはその造形を熟成極まるアルミ鍛造製法に置き換えつつ、造形やマッチングをさらに絞り込むことで成立させたモデルだ。造形としては各スポークに施された極限までの穴あけ加工が見ものだ。欧州を中心とするモータースポーツの技術を取り入れて、強度と剛性を維持しながら二律背反する軽量性能を両立させた。

その上で、世のハイエンドカーに焦点を絞って、すべてのサイズを車種別専用設計とした。単にマッチングの問題ではなく、重量や出力性能など車種ごとに個別の性能を見極め、汎用性を排してまで理想を追い求めたのだ。


photo_中島仁菜 NAKAJIMA NINA  text_中三川大地 NAKAMIGAWA DAICHI

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