ロッカーアームをロッカーシャフトで串刺しという解決【プリンスがS54B用に開発した、ハイコンプ仕様のG7型エンジン】その2 Vol.2

鋳鉄製ヘッドのため、バルブシートリングは入っていない。そのため、シートカットの失敗は許されない!

       
【プリンスがS54B用に開発した、ハイコンプ仕様のG7型エンジン その2 Vol.2】

その2 【1】から続く

 今でも人気の高いL型エンジンと同様にターンフローのSOHCで、ロッカーアームを介してバルブを駆動しています。ただし、L型はロッカーアームの支点をピボット式で支持していますが、G7型はロッカーシャフトを使っています。L型は高回転域でバルブサージングが起きるとピボットからロッカーアームが外れるというトラブルに見舞われます。ところが、G7型はロッカーシャフトで串刺しにする方式となっているため、どんなにサージングが起きてもロッカーアームが脱落しない構造なんです。このロッカーアームの支持方法はとても理にかなっているんですが、難点は工作が難しいということ。量産するには精度を上げるのに苦労したと思います」と館長。

>>【画像15枚】ヘッドやブロック、カムシャフトなどで確認できたる純正を表す「P」マークの刻印など



プリンスのG7型は、ロッカーアームを串刺しにするロッカーシャフト式のため、脱落の心配はない。ただし、精度の高い加工が必要になる。





日産のL型エンジンでは、ロッカーアームの支持はピボット式。丸い部分にロッカーアームをはめているだけだ。







G7型のロッカーアームは、先端がネジ式で、直接バルブを押す方式。このネジでバルブクリアランスの調整を行える。






L型は、ロッカーバルブガイドにロッカーアームがはまってバルブを押す。バルブクリアランス調整は、ピボットの位置を上下して行う。


その2 【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年4月号 vol.180
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

プリンスがS54B用に開発した、ハイコンプ仕様のG7型エンジン(その1 その2 全6記事)

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その2 【1】から続く

photo & text:珍車秘宝館 館長

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