ヘッドにも「P」マークが鋳込まれたG7型エンジン【プリンスがS54B用に開発した、ハイコンプ仕様のG7型エンジン】その２　Vol.1

Nosweb 編集部 2022/07/04

ヘッドにも誇らしげに「P」マークが入っている。この当時は、まだヘッドも鋳鉄製だ。

　　　　　　　

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【プリンスがS54B用に開発した、ハイコンプ仕様のG7型エンジン　その２　Vol.1】

　前回はG7型エンジンの腰下、ブロックまわりを館長に解説してもらったが、今回はヘッドまわりに注目する。
「1963年頃の国産エンジンには、まだオーバーヘッドカム、いわゆるOHCはなかったハズなので、このG7型エンジンは、国産の量産エンジンとしては初の6気筒SOHCになります。最初に搭載されたのは、スカイラインじゃなくて2代目のグロリアですが、プリンスの技術力、エンジンに対するこだわりが見て取れます」と館長。

　さっそくヘッドまわりを確認すると、ブロックと同じく、ヘッドにも「P」マークが鋳込まれている。しかも、カムにも刻印が入っているのを発見。
「ヘッドもブロックと同じスチール製なので、メチャクチャ重いです。燃焼室形状は、ウエッジ形（くさび形）という当時のオーソドックスな形状です。ただし、バルブシステムがかなり高度なシステムになっているのが特徴です。


>>【画像15枚】プリンスのG7型のロッカーアームやロッカーシャフトなど。ロッカーアームを串刺しにするロッカーシャフト式のため、脱落の心配はない。ただし、精度の高い加工が必要になる。日産のL型エンジンでは、ロッカーアームの支持はピボット式。丸い部分にロッカーアームをはめているだけだ



カムシャフトにも純正を表す「P」マークの刻印が確認できた。






オーバーホールのためにロッカーカバーを外した状態。手前の左右のシャフトが、ロッカーシャフト。ヘッドの手前には、「K3」の文字が鋳込まれているのが見える。後のS20型のヘッドにも同じような文字があることから、プリンス系エンジンの証しの1つかもしれない。


その２　【2】に続く

初出：ノスタルジックヒーロー 2017年4月号 vol.180
（記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです）

プリンスがS54B用に開発した、ハイコンプ仕様のG7型エンジン（その１　その２　全6記事）

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photo & text:珍車秘宝館 館長

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