プリンス自動車時代のレース用ベースカー、2代目スカイラインの決断|1967年式 プリンス スカイライン 2000 GT-B

丸形4灯ヘッドライトはIPF製を装着。ガラス面にふくらみがあり、旧車の雰囲気を損なわないもの。

       
1957年4月、プリンス自動車工業は新型車プリンススカイラインを発売した。それから60年、今なおスカイラインは日本を代表する乗用車として、人々の心をつかんでいる。今回のスカイライン特集では4代目C110、3代目C10、2代目S50系、そして初代ALSIの各モデルを掲載。それぞれ個性的な個体を集めて、モデルごとの魅力を改めて探ってみることにした。クルマ好きはなぜ、スカイラインにひかれるのだろう。

【1967年式 プリンス スカイライン 2000 GT-B Vol.1】

 2代目スカイラインのS50系。1.5L直列4気筒OHVエンジンを搭載して1963年11月にデビューした正統派セダンは、後に運命を大きく転換する出来事に遭遇する。1964年5月、スカイラインGT発売。プリンス自動車工業が第2回日本グランプリレースGT‐IIクラスでの必勝を期するために開発したレース用ベースカーで、グロリア用のG7型2L直列6気筒SOHCエンジンを、S50のフロントノーズを延長して押し込み、スポーツセダンに仕立てたものだ。型式はS54A‐1として差別化を図ったが、あくまでもレース用ベースカーということで、ステアリングをはじめインテリアはS50のものを流用していた。


>>【画像26枚】3型で昭和42(1967)年8月のマイナーチェンジ後のモデルに装着された、フロントフードのnissanエンブレムや、トランクリッド中央のS54を示すエンブレムなど

 ダッシュボード上に後付けのタコメーターが置かれただけで、外観や装備からはスパルタンな印象がほとんど感じられないものだった。ホモロゲーション取得用に100台生産された(現存の個体はない、らしい)。

【2】に続く


1967年式 プリンス スカイライン 2000 GT-B(S54B-3)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4235mm
全幅 1510mm
全高 1405mm
ホイールベース 2590mm
トレッド前/後 1265 / 1255mm
最低地上高 155mm
車両重量 1095kg
乗車定員 5名
最高速度 180km / h
登坂能力sinθ 0.47
最小回転半径 5.25m
エンジン型式 G7型
エンジン種類 水冷直列6気筒SOHC
総排気量 1988cc
ボア×ストローク 75.0×75.0mm
圧縮比 9.3:1
最高出力 125ps / 5600rpm
最大トルク 17.0kg-m / 4400rpm
変速 機 前進5段 / 後退 1段 2~5速 シンクロメッシュ
変速比 1速 2.851 / 2速 1.854 / 3速 1.378 / 4速 1.000 / 5速 0.810 / 後退 3.564
最終減速比 4.444
燃料タンク容量 99L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール式
サスペンション 前/後独立懸架ウイッシュボーン・コイル / リジッド半楕円リーフ
ブレーキ 前/後ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ 前後とも5.60-13-6PR
発売当時価格 94万円

photo:YOSHITAKA TAKAHARA/高原義卓

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