ウエーバー3キャブ仕様のGT‐B! レースモデル直系の市販前提モデル|1967年式 プリンス スカイライン 2000 GT-B

ウエーバーの3連キャブも、きっちり調整済み。

       
1957年4月、プリンス自動車工業は新型車プリンススカイラインを発売した。それから60年、今なおスカイラインは日本を代表する乗用車として、人々の心をつかんでいる。今回のスカイライン特集では4代目C110、3代目C10、2代目S50系、そして初代ALSIの各モデルを掲載。それぞれ個性的な個体を集めて、モデルごとの魅力を改めて探ってみることにした。クルマ好きはなぜ、スカイラインにひかれるのだろう。

【1967年式 プリンス スカイライン 2000 GT-B Vol.2】

【1】から続く

 今でも語り草になっている、第2回日本グランプリでのポルシェ904とのデッドヒートによって、スカイラインGTの話題がヒートアップ。購入希望が殺到したため、プリンスは改めて市販を前提としたモデルを企画する。それが1965年2月に発売されたS54B‐2スカイライン2000GTだ。G7型エンジンにウエーバーのダブルチョークキャブレターを3個装着。トランスミッションは4速となった。

 さらに1965年9月にはシングルキャブ仕様のS54A‐2スカイライン2000GT‐Aを追加。同時にウエーバー3キャブ仕様は2000GT‐Bに改称された。この後、1966年8月にプリンス自動車工業と日産自動車が合併。直後の同年10月にスカイラインはマイナーチェンジが行われ、S54B‐3、S54A‐3となり、1968年8月にフルモデルチェンジで3代目C10スカイラインにバトンを託すことになる。

>>【画像25枚】S54Bの3型なので、プリンスのロゴと日産自動車の文字が並ぶ型式プレートなど



プリンスクラフトのクルマは、エンジンルームの仕上げ方でひと目で分かる。今後のメンテナンスを考えて、新品パーツやリビルド品に置き換えつつ、当時の雰囲気を絶対に損なわない見た目にする。






フロントドアから前の長さと少し前上りの姿勢がS54本来のもの。車高を適度に落とし、コニ製のダンパーを装着している。



1967年式 プリンス スカイライン 2000 GT-B(S54B-3)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 4235mm
全幅 1510mm
全高 1405mm
ホイールベース 2590mm
トレッド前/後 1265 / 1255mm
最低地上高 155mm
車両重量 1095kg
乗車定員 5名
最高速度 180km / h
登坂能力sinθ 0.47
最小回転半径 5.25m
エンジン型式 G7型
エンジン種類 水冷直列6気筒SOHC
総排気量 1988cc
ボア×ストローク 75.0×75.0mm
圧縮比 9.3:1
最高出力 125ps / 5600rpm
最大トルク 17.0kg-m / 4400rpm
変速 機 前進5段 / 後退 1段 2~5速 シンクロメッシュ
変速比 1速 2.851 / 2速 1.854 / 3速 1.378 / 4速 1.000 / 5速 0.810 / 後退 3.564
最終減速比 4.444
燃料タンク容量 99L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール式
サスペンション 前/後独立懸架ウイッシュボーン・コイル / リジッド半楕円リーフ
ブレーキ 前/後ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ 前後とも5.60-13-6PR
発売当時価格 94万円

【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年2月号 Vol.179(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1967年式 プリンス スカイライン 2000 GT-B(全4記事)

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【1】【2】から続く

photo:YOSHITAKA TAKAHARA/高原義卓

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