フィアンセの毎日の足に。珍しいコルトワゴンに魅せられて|1973年式 ダッジ コルト 1600 ステーションワゴン

コルトワゴンのテールには衝突のゆがみが残ったままで、リアハッチに施された仮ペイントの色合いもボディのオリジナルの赤色とはわずかに異なっていた。

       
クルマの世界でOEM(相手先ブランド)モデルというのは、現在、日本国内で発売されている新車でもかなり多く存在している。時をさかのぼって1970年代のアメリカでは、ビッグスリーの一角、クライスラーでも、三菱自動車と提携して小型乗用車のOEMモデルを用意、ダッジ・ブランドで販売していた。そんな1台がここで紹介するダッジ・コルトワゴンだ。オーナーとそのフィアンセの生活の足として使われる赤いワゴンを紹介する。

【1973年式 ダッジ コルト 1600 ステーションワゴン Vol.5】

【4】から続く

●自分の手で直していく
 ブリーズさんがコルトワゴンを手に入れたのは昨年6月のこと。前オーナーはあまりこだわりのない人で、おかげでクルマはずいぶんと傷んでいたそうだ。ひしゃげたテールの部分はかろうじてハッチが閉じる程度だった。

「オルタネーターを新しいものに交換して、車高を2インチ(5cm)下げました。そのままだったらオフロードも走れそうなほど車高が高かったから。古かったエキマニも交換したし、次はエキパイを作り直します。ボディのテールのへこんだ部分は内側からたたけるところはたたいて、細かなところは表から引っ張って、それでダメだったら表面のメタルを作り直しかな」

 実はこのワゴン、ブリーズさんが思う通りの整備作業を済ませた暁には、フィアンセのアマンダさんの毎日の足になる予定だそうだ。アマンダさんはもともと旧車が好きで、そのうえ実用車が好き。ワゴンが欲しいと言い出したときに、ブリーズさんは保管してあったダットサンのパーツを利用できると考えて510ワゴンを提案したわけだったが、この珍しいコルトワゴンを見つけた途端に2人とも魅せられてしまった、というのがことのいきさつ。

>>【画像14枚】「この時代にクロスフローとは、進んでいたと思う」とブリーズさんはこのエンジンに対する印象を述べた4G32型「サターンエンジン」など



リーフスプリング式のリアサスペンションにアルミ製ブロックを挿入して車高を2インチ下げた。とはいうもののクルマ全体の外観で言えば、実に自然な状態を保持したままだった。フロントサスペンションはコイルオーバーに変更する予定で、採寸をすでに済ませて、これから専門店に特注で製作してもらうのだそうだ。

【6】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2016年 6月号 Vol.175(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 ダッジ コルト 1600 ステーションワゴン(全6記事)

関連記事: ニッポン旧車の楽しみ方

関連記事: コルト


【1】【2】【3】【4】から続く

text & photo:HISASHI MASUI/増井久志

RECOMMENDED

RELATED

RANKING