八百八丸急行 斬新パーツと硬派な筆文字で豪快無比なスタイルを創出

鏡面ステンレス仕様のリア観音扉には、あさい工芸が手腕を振るった筆文字を採用。「生鮮青果輸送 青果市場御用達」の文字がやっちゃ場便の誇りを物語る。

       


静岡市に拠点を置く佐野商事は、ご夫婦の二人三脚で大きくしてきたアートカンパニー。ふたりが代わる代わるにワッパを握ってきた看板車は、やっちゃ場便として活躍する一方で、イベント会場での見栄えにも考慮して、全身を迫力満点に飾り上げたフルアート車だ。 キャブ周りで特筆すべきは、ボトムエンドで異彩を放つ独創性満点のフロントバンパーだ。1段ごとにエッジを設けた芸術的な3段フォルムもさることながら、細長い名文句アンドンやアコード用のヘッドライト、ナンバーボックスの左右に2本ずつこしらえた角パイプデザインなど、オリジナリティに富んだディテールメイクも秀逸。

また、フロントバンパーよりも10cm長く張り出した特大サイズの舟型バイザーや、側面にパンチング風の菱抜きデザインをあしらった6角キャブロケット、カラーパネル+菱形棒チップでデザイン性を高めた幅広なハシゴなど、オーナーの友人でもある板金職人がこしらえた大型パーツ群もみごたえ満点で、他車に類をみない存在感を獲得している。
一方、箱周りの目玉ポイントは、箱3面で異彩を放つ文字ペイントだ。「静岡県随一の筆描き職人です」とオーナーが語るあさい工芸の作品は、下書きなしのフリーハンドで仕上げた秀作。雄渾な筆致と優れたバランス感覚でやっちゃ場便らしさをアピールしている。

【写真6点】やっちゃ場便として活躍。

カミオン2009年7月号トップアートをもとに再構成

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