渡月丸シャイアン エッチングと抜き加工を用いた職人技が冴える淡路流アート

リア下周りには20発の丸テールを採用。上方に設置したテールボックスは、テールの表面に配したハート柄のステンレスカバーがユニークだ。

       


「椎名急送」と「カネショウ松井通商」という東西の2大独立船団に籍を置いたことのあるシャイアンさん。そんな伝説的トラッカーの愛車は、エッチングステンレス素材をふんだんに用いた淡路・神戸エリア特有のスタイルを披露する注目車だ。 注目のキャブ周りには、以前に乗っていた愛車に装着していたオーダー製のパーツを多数流用。なかでも、平型バイザーの前面ほか随所にあしらった抜きデザインは、腕利き職人の手による伝統工芸と呼ぶにふさわしい美しさと独創性、そして完成度を獲得している。また、キャブ全面を包む高品位なエッチングステンレスは、ところどころに施したプレス模様も特筆すべきビューポイントで、レトロムードを漂わす丸パイプハシゴやミラーステー、カネショウの知人から譲り受けたという舟型バンパーとのグッドバランスを実現。

重厚な輝きと独創的なディテールメイクを巧みにブレンドしたフロントセクションは、長崎さんが現在所属している実力アート集団の丸美グループにおいても出色だ。 一方の箱周りでは、箱サイドの下側やサイドバンパーに「鶴」の抜きデザインを流すなど、オーダー製のアレンジパーツを積極的に採用する。リア下周りに目を向けると、同じく「鶴」の抜きデザインを横1列に並べるほか、ハート型のカバーを組み合わせた10連丸テールボックスや、同じく10発の丸テールを深掘りで収めたリアバンパーもピカイチのオリジナリティを披露。

【写真6点】淡路・神戸エリア特有のスタイル。

カミオン2009年3月号トップアートをもとに再構成

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