十一番星 箱3面を席巻する迫力ペイントと精悍な大型鏡面パーツの競演

リア観音ペイントのモチーフは、今にも後続車に襲いかかろうかという構図が迫力の「唐獅子牡丹」。「昔昔、桃太郎〜」の名文句も必見のビューポイントだ。

       


「アートの原点は子どものころに観た映画『トラック野郎』です!」と、三重県のヤマ正水産が、汗とホコリと涙が似合う硬派なエサ屋便・十一番星を豪快に構築した。特筆大書すべきは、圧巻の箱3面画だ。箱の運転席側に「龍と虎」、助手席側に「龍と鷹」を躍動感満点に描くほか、リア観音扉には威風堂々と「唐獅子牡丹」をペイント。名匠マインド美術室の筆致は雄渾で、構図、タッチ、カラーリングのすべてで完璧さを追求。

映画『トラック野郎』シリーズへのオマージュとして刻んだ「昔昔、桃太郎 昔、桃次郎 今、桃華」の名文句も味わいたっぷりだ。箱周りに流したイエローマーカーは、夜間走行時にデコトラ然とした絢爛さをふりまく。

一方、目玉の大型パーツとなる舟型バンパーは、美しい鏡面素材と文句なしの量感で個性をアピール。前面と側面に収めた「ミラー地+ピンク文字」の名文句アンドンや、天板左右に備えた青色回転灯など、さり気ないアクセントメイクも注目ポイント。

また、前面にパンチングステンレスをあしらった2段平型バイザーは、インナーの蛍光灯を光らせることで、華やかなイルミネーションビューを好演出。 なお、パープルが鮮やかなキャブカラーと各種メッキパネルのコントラストも、他車の追従を許さないオリジナリティ。「そろそろ道楽も終わりですよ」と笑うオーナーだが、言葉とは裏腹に、まだまだファンの期待に応えてくれるだろう。

【写真6点】圧巻の箱3面画。

カミオン2010年10月号トップアートをもとに再構成

RECOMMENDED

RELATED