宮組乃織輝 真っ赤なボディに伝統を満載し今日も甲州街道をひた走る

プロテク背面のペイントは、不動明王と竜というモチーフ。竜が持つ珠には「宮」の文字が刻まれ、宮崎会長を守る思いが込められている。

       


「仕事をしながら飾る。それが関東み組の伝統でありポリシー。オレもそのポリシーを貫きたい」そう熱く語る。約20年の長きにわたりアート界に身を置きながら、これまで一貫してそのポリシーを守り続けてきた。もちろんこの宮組乃織輝も、バリバリ現役の仕事車。レインボーラメを散りばめた真っ赤なボディに砕石を満載し、今日も甲州街道を爆進していることだろう。

思いがもっとも表れているのがフロントバンパーだ。舟型とラッセルをコンビネーションしたような独特の形状は、新幹線バンパーなどとも呼ばれている。これまで、5〜6本のフロントバンパーを製作してきた豊富な経験から、仕事とアートを両立する理想の形状として、この形に行き着いたそうだ。

そして、トップパートもこのバンパーと出幅をそろえるようにデザイン。ロケット、山型バイザー、ミラーステーが、絶妙なバランスで配置されている。ロケット前面はやや深い位置に星型の抜きアンドンを設置。内側のステンレスに星が反射して、ナイトシーンでは独特の美しさをみせてくれる。

大型のアンドン&ステンレスボックスで、力強く飾られたプロテクの背面には、モノトーンで不動明王と竜のペイントを描く。あえてモノトーンを採用したことで、ダンプの力強さと仕事車としてのたくましさが表現されている。 最後に宮組乃織輝の秘密をご紹介しよう。初見ではわかりづらいが、クルマの至る所に隠しアイテムともいえる「み組」のマークが刻まれている。イベントなどで見かけたときは、ぜひその「み組」マークを探してみてほしい。

【写真6点】豊かなアート人生が紡ぐ珠玉のパーツ群。

カミオン2010年7月号トップアートをもとに再構成

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