街道仁義 贅を尽くした上質パーツと優れたセンスで美麗スタイルを構築

プロテク背面ペイントは、ダンプ屋稼業をアピールすべく、「弁天様&天女」の背景に山を描いている点がミソ。

       


創業40年以上の老舗ダンプ屋「漆原産業」の二代目が駆る大型ダンプ・琴月丸は、高品位なメッキパーツを主体とした関東風スタイルに’80年代の味付けを施した美麗車だ。

メタリックパープルに白(ドアのみ)を組み合わせたキャブ周りには、名工・沖田板金がこしらえた高精度パーツをバランスよくラインナップ。ボトムエンドに肉厚な舟型バンパーを装着するほか、キャブトップには、前面にマーカーを並べた平型バイザーや、菱抜きデザインをあしらったミラーステーをコンビネーション。これら3点の大型パーツを高級メッキで統一することで、周囲にエレガントな雰囲気をアピールしている。

また、舟型バンパーの前面左右に収めた2枚を含め、アンドン群はすべて名匠・白銀社製で統一。「緑地×ミラー文字」でそろえたカラーリングも秀逸だ。そのほか、ボックスのメッキが光り輝く弁当箱や、同じくメッキ素材のウイングマーク、ルーフに搭載したヤマダ製のビッグホーンなど、随所に散りばめたアイテムも、アートファンの心をくすぐるに十分。縁起のいい「七福神」をモチーフにした安全窓や寝台窓も、一見の価値を有している。

一方の荷台周りは、2段サイドバンパーから大型フェンダー、ウロコステンレス素材のリアバンパーへと流れるアンダーセクションが見応え十分。プロテク背面に描いた「弁天様+天女」は、背景を海ではなく山にすることで、ダンプ屋としての誇りをアピールしている。タフな仕事をこなしながらも、ハイセンスなビジュアルを披露する注目車だ。

【写真6点】関東風スタイル×エイティーズ

カミオン2011年9月号月号トップアートをもとに再構成

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