美奈丸 理想のスタイルを追求して進化を続ける屈指の名車

運転席側の箱絵と同様に「龍と義賊」を題材にしたリアペイント。

       


’94年に本誌の看板ページに初登場して以来、アートアップとリメイクを繰り返しながらスタイルを進化させ、長きに渡ってファンのハートを鷲づかみにしてきた名車が美奈丸だ。現役にしてアート界の至宝とでもいうべき名物フルアート車の「今」をご紹介しよう。

美奈丸といえば、名匠・関口工芸の筆致が光る箱3面ペイントが硬派なスタイルの真骨頂。過去に2度のリペイントを試みているが、運転席側の箱に至っては、2度目のリメイクからわずか2年後に再リメイク。前作と同じ「龍と義賊」を描きながらも、重厚さを重視した前作とは対照的な明るく存在感のある作品に仕上げている。

一方、全身に組み合わせた大型パーツ群は、従来から継続採用しているモノがほとんどだが、フェイス周りに前衛的な鉄仮面を造作するほか、箱ロケットを大型の8角タイプに変更するなど、ここ数年の間にも、地道にスタイルを昇華させている。

また、継続採用中のパーツ群も魅力あふれるラインナップで、4段ハチ巻きLEDや6角筒出しステンレスで個性をアピールする石倉板金製のシートキャリアや、複雑な面構成で独創性を獲得したフロントバンパー、電飾ボックス化を図ったミラーステーなど、おなじみの個性派パーツが絢爛豪華なスタイルを好サポート。関口工芸製のアンドンをはじめ、リレー式のLED、ストロボなどを駆使したナイトシーンも、このクルマの魅力を語るうえで外すことのできない出色ポイントだ。

「古さ」と「新しさ」を共存させながら、時代ごとに最高のスタイルを追求し続ける名車の姿に、元気づけられるファンも少なくないだろう。

【写真6点】アート界の至宝。

カミオン2010年3月号トップアートをもとに再構成

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