拓洋丸 '80年代テイストを織り交ぜて魚屋風に仕立てたやっちゃ場便日野プロフィア

気鋭トラッカーが勢ぞろいする実力アートトラック集団の丸美グループに所属するオーナーの愛車は、関西〜九州を走る青果輸送便ながら、いわく「'80年代に長崎や青森、宮城などで走っていたアート車のテイストを取り入れて、全体を鮮魚便のイメージで仕上げた」センス満点の1台だ。

       



独特のカラーで塗り上げたキャブ周りでは、キャブ同色塗りを施したメッキバンパーが印象的で、前面中央にアンドンを備えるほか、宮城の活魚車をイメージしたという側面にはオレンジのなまずマーカーを1発ずつ配置するなど、さり気なくもオリジナリティに富んだスタイルを好アピール。

また、キャブトップに組み合わせたレトロ志向な薄型バイザーをはじめ、鏡面に「剥離+焼き付け塗装」を行った安全窓や、観光バス用をスワップしたミラー、“放浪船”と刻んだウイングマークなど、目の肥えたアート・ファンが喜びそうな秀逸アイテムを多数ラインナップしている。

一方の箱周りは、堂々と描かれた“イカリ”のマークや“拓洋冷凍”の屋号はもちろん、箱の下側に流したキャブ同色のラインや、箱前方に装着した丸パイプハシゴなど、’80年代の青森風スタイルを意識したコーディネートも特筆ポイントだ。

荷台下に4段サイドバンパーを装着するほか、リアエンドには丸テール×4発を収めた長崎風スタイルの小型バンパー&手前に丸棒の格子デザインをあしらった3連角テールボックスをバランスよくコンビネーションするなど、ボトムセクションにも、魅力とこだわりが盛りだくさんとなっている。

【写真6点】各地のご当地エッセンスを取り入れつつ自らの理想に落とし込んだ妙腕が光る秀作やっちゃ場便をより詳しく。

カミオン2008年5月号トップアートをもとに再構成

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