日野クルージングレンジャーをベースに名車の名と伝統を今に伝える古き良き佇まいが見事

烏城丸といえば一世を風靡した有名車。その伝統とニックネームを受け継ぐにふさわしいクルマが登場した。'80年代アートを意識したオーナーの言葉どおり、懐かしいデコトラの雰囲気をまとったクルマに仕上がっている。

       



まず注目されるのが、シートキャリアを中心としたトップパートだ。シートキャリアは、ウロコステンレス製の平型で、コーナー部には華やかな打ち出し模様を入れ、懐かしい長アンドンを前面上部に装備する。さらにこのシートキャリアは、2重構造になっており、後方からみても配線類などが一切みえないのだ。

こうした細部にまで至る配慮が、名車と呼ばれるクルマを生み出すことになるのだ。 バイザーはマーカーを1列配置した平型。サイドとミミの部分は鏡面仕様とし、打ち出し模様がプラスされている。バイザーから続くミラーステーは、岡山流といわれるスタイルで、左右で張り出し量が異なるタイプだ。飾りの要素を保ちつつ、ミラーもしっかり確認できるという、実用性に富んだスタイルとなっている。

バンパーはオーソドックスな舟型タイプながら、イエローのフォグランプやなまずマーカー、すずき工芸のアンドンで、しっかり’80年代アートをアピールするあたりはさすがだ。また、フロントバンパーからサイド、リアまで、バンパーはすべて厚さ45cmで統一されている。このアンダーパートがクルマ全体にドッシリとした安定感を与え、美しいスタイルを生み出している。

【写真7点】憧憬の念を見事に体現した珠玉のバランス構成。

カミオン2008年4月号トップアートをもとに再構成

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