’80年代から名を馳せた伝説車が大型車にグレードアップして登場! 幸星丸

'80年代の哥麿会相模支部を代表する名車の1台だった幸星丸。アート車の歴史に名を残す傑作車を作り上げたオーナーが現在心血を注いで製作しているプロフィアテラヴィがベールを脱いだ。全身に関東流のアートを施し、仕事での使い勝手を損なうことなく飾り上げられた意欲あふれる注目車だ。オーナーいわく、完成度は未だ70%とのことだが、ひと目で高いレベルが見て取れる秀でたスタイルをまずはご覧いただこう!

       



第二次デコトラブームが起こった’80年代に哥麿会相模支部にて存在感を発揮していた「幸星丸」をご存じだろうか。

キャビンをステンレスで覆い尽くし、鉄仮面や鳥カゴ型シートキャリアなど精度の高いパーツで満艦飾のスタイルを築き上げたいすゞエルフだ。ここでご紹介するクルマは幸星丸のオーナーが満を持して製作しているプロフィアテラヴィ。仕事車として使用することを前提としているため、使い勝手の良さと堅牢な造作には目を見張る。加えてハイレベルな装飾を施すことで、超高次元なアート仕事車を作り上げることに成功している。

キャブカラーは相川急送のアイデンティティともいえる鮮烈な赤に彩られ、関東流の高精度パーツで全身をコーディネート。フルアートの装いをしているが、驚くべきはアートパーツ群の精緻なつくり込みの細かさだ。 バイザーは平型を採用。天板前面は深堀りでグリーンの角マーカーを並べる。全身のマーカーはすべてグリーンで統一されており、これはエルフの幸星丸の色で見せた色のイメージを大切にしたためだ。バイザーミミのフチは丸棒を這わせて裏側にはウロコステンレスを採用。バフロントフェンダーなど、アールを持つパーツにはウロコ模様を後から入れることで、カーブに沿った美しい模様を実現している。

角パイプ2本仕様のミラーステーは、外側の角パイプにダイヤ柄の型押しを施すことでオリジナリティを演出する。フロントパネルは定番の額縁仕様だが、組み合わせるグリルはデザインからオリジナルで製作したワンオフもので、唯一無二のフロントフェイスに仕立てている。フロントバンパーは前面にランプを4灯、アンドンを4つ入れるほか、側面にもアンドンスペースを設けたキャデラックで迫力満点だ。

ヤマダボデー製のボディは根太上げして110cmのアオリを装備。7:3の分割で仕事での使い勝手も考慮した構成だ。ズラリと並んだ蝶番が堅牢なイメージを増幅させる。サイドバンパーは中央に長アンドンを入れ、上下にマーカーを埋め込んだ。リアオーバーハングのアンドンはバランスを考えて、前後軸間のものより少し長く作られている。ボディハシゴからつながるガセットや中柱とのクリアランスがまた絶妙だ。リアフェンダーは薄型のバスフェンダーをコーディネート。補機類のカバーなどもすべてワンオフで作り込まれており、完成度をさらに引き上げている。

リアはウロコステンレスの観音扉に丸目4灯のテールランプを仕込んだテールボックスを装着。同じく丸目4灯を入れたリアバンパーとも相まって、仕事車独特の硬派な雰囲気を創出した。またボディ内部は全面にウロコステンレスが貼り込まれており、美麗なたたずまいを内包している。

各所の写真はコチラから。

写真・文:編集部 2022年1月号をもとに再構成

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