ベスト5 守護神の梵天が寝台パネルに宿る小錦級ダンプ すずらん

トンネルが多いルートを走ることから、シートキャリアの高さを低く抑えた。両脇のちょうちん風のアンドンが素敵だ。




トンネルが多いルートを走ることから、シートキャリアの高さを低く抑えた。両脇のちょうちん風のアンドンが素敵だ。

いかついダンブが可憐なすずらんとは……。

きっとドライバーは心の優しい人なのだろう。このドルフィンは、2年目になる。 走行メーターは2万kmを指している。 改造費は250万円。


パーツをふち取るようにペイントされているのは通称、唐草模様。関西ダンプのご当地仕様だ。

「サイドバンパーは3mmの鉄板の上にウロコステンレスを張った。ほんまはもっとシートキャリアを高くしてアンドンをかかげたいが、するとトンネルの天井にぶつかってしまう。トンネルの多い細い道を走るもんやから、しかたおまへん」。

ダンプは制約が多い。以前はキャデラック型のバンパーにしていたそうだが、アップダウンのある道で地面にすってグニャリと曲がってしまったそうだ。

「あと、グリル回りに工夫をこらそうと思っているのや。朝から晩までめいっぱい走って、ぎょうさん稼いで、それをつぎ込んでいきたいと思ってます」。

8歳になる息子の浩二君と梵天が守護神とは心強いことだろう。


日々の安全運行を寝台パネルに入る梵天に託す。

−−飾りたくても仕事の都合で飾れない現状を打破するのは、いつだって熱意ある創意工夫だ。悪路走行と大型バンパーの装着を両立させる昇降機の登場はもう少し先のこと。

文:編集部 カミオン1985年3月号をもとに再構成

RECOMMENDED

RELATED