アートトラック 唐獅子の背中を灯すスカGランプは16個! 日野ドルフィン(1984年8月号)

スカGテールの内側に星型のマーカーランプを埋め込んだ。リレーさせているのも秀逸。この仕様は現在にも脈々と受け継がれている。


「追突したら許さへんでえ」の思いからスカGテールを16個マウント!

リアにテールランプを16個も取り付けた根性ものだ。スカGのテールの内側に星型のマーカーをはめこんだアイデアが面白い。もちろんリレーするようになっている。

「一度、追突されたことがあるから、これだけ取り付ければぶつけては来んでしょう。カッコよさと追突防止、一石二鳥を狙ったんだ」とオーナー。

リアはなかなか決まっているが、フロント部分がなにかもの足りない。そう、バンパーがノーマルなのだ。

すると、頭かきかき、「実は先週、ちょっとぶつけてね」と弁明。 4号線を走っていて、福島で前のトラックが急ブレーキ。追突を避けるため左によけたが、路肩に突っこみ、バンパーはグニャ。ただいま修理中で、7万円の随時出費。

唐獅子株式会社のネーミングは横山やすし主演の映画が気にいってつけたとか。そういえば、どことなく横山やすしに似ている。

これからデッキをマーカーランブやナマズで派手にする予定だ。「バンパーを修理した後で撮ってもらいたかったなあ、お金を貯めて、もっとオリジナリティを出していきたい。 ホイールの三枚羽もユニークでしょう。 いま改造費80万円くらい。あと倍はかけたいな」。

……と、当時の誌面につづられていたが、いくら事故後による仮の姿とはいえ、車体の写真に文字をバリバリかけるのはいかがなものか。そもそも車両のメインカットは真正面しか撮らなかったのか。シートキャリアや丸アンドンが装着されるキャブハシゴにも触れてほしいところだが、「そういえば、どことなく横山やすしに似ている」を優先させた当時の担当編集者の胸中は、約40年の時の流れにより、忘却の彼方に消え去り知る由もない。


文:編集部 カミオン1984年8月号をもとに再構成

RECOMMENDED

RELATED