アートトラック 石巻名車紀行 〜鏡部屋の仮眠室を備え恋しいあなたを捜して〜 日野ドルフィン(1984年8月号)

独身ならではの文字が刻まれた安全窓アンドン。白銀社の筆致と推察される。


硬派な装いの一方でR指定のアダルティなアンドン文字に驚かせる大型平車

臆面もなくバンパーに「優しく愛撫」「程よく濡れて」の文字。ちょっと子供には教育上よくないのでは?

「いや、これでもおとなしくしたんです。前は優しく入れて、優しく抜いて、と過激だったんですから」と、独身のオーナーならではのシャレだ。

それにしてもラブホテル並みの鏡張りの仮眠室がひときわ目を引く。豪華なシャンデリアをふんぱつして、室内は赤系統に統一。さぞかし夜にこのシャンデリアが光り輝くとムードを盛り上げることだろう。


↑ラブホテルの室内のようにギンギラにきめている。シャンデリアが豪華さを強調。

「このドルフィンが5台目。4台目までは4t車だった。やはり大型に乗りたかったからやっと念願がかなったわけで。当分、苦しいですよ。飾りは、全部で100万円かかっています」。

内装に45万円。安く上げるため、自分で取り付けたものもある。シャンデリアは定価8万円のものを2万5000円で手に入れた。バンパーにしても、知り合いの鉄工所で切断してもらって、ナマズやマーカーは自分で取り付けた。いちどにすべてをやらず、徐々に飾っていくのが楽しいそうだ。

みちのく娘を嫁さんにして、過激なアンドン文字が消えるのもそう遠くない。

……以上は当時の掲載ページをほぼそのまま転載したものだが、文章を読む限り、オーナーのアダルティなテイストに驚いたスタンスを取っているが、ページの見出しにはなかなか大きめに「みちのく娘を優しく愛撫したいなァ」と、当時の編集部員がみだらさにのっかっているのは時代のせいだろうか。あァ、昭和も遠くなりにけり、だ。

文:編集部 カミオン1984年8月号をもとに再構成

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