アートトラック 今見ても完成度の高い美しきレッドダンプ 丸賢石産(1984年8月号)

厳選したフルアート車が毎号並ぶカミオン本誌の名物レギュラーコーナー「トップアート」が始まったのは、創刊3号目となる'84年8月号。当時の名称は「カスタムアートトラックベスト5」だ。約40年のときを経て今ここに改めてそのページを記していこう。

       



港に映えるレッド・ダンプはまるで貴婦人のような美しさ

当時の記事は飾りにいくらかけたかを記載するのが定番で、トップバッターを飾った丸賢石産の拓丸はある意味、それを決定付けるに足る内容だ。

「ダンプはどれも地味なカラーだから1台くらい派手なのがあってもいいんじゃないかと思ってね」とのことからオールペンした費用は60万円、ウロコステンレスのフロントバンパーは30万円(今からすれば安い!?)、シートデッキは40万円、メッキホイールは1セットで12万円などなど、かなり具体的。

ちなみに総額は220万円もかけているほか、オーナーにとってこのふそうはなんと7台目となるだけあって、それまでの経験で培ったバランス美は令和時代に見ても見事のひと言。

「ダブルマフラーからの『ド・ド・ド・ド・ド〜、ブル〜ン』と腹に響くような低音を轟かせ、石巻の港を爆走する雄姿は筆舌に尽くしがたい迫力」との記述は、単に美しいだけではなく、いかにもダンプらしい力強さを持ち合わせていた証だ。

今なお語る注がれる記憶に強く刻めまれた名車の1台であることは揺るぎない。

→【画像4枚】ディテールカットはこちらから。

文:編集部 カミオン1984年8月号をもとに再構成

構成:編集部

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