進化するA型エンジン
A型エンジンの原型は1966年にデビューした初代サニーに搭載されたA10型。
オーソドックスな4気筒OHVというレイアウトはそのまま、クランクシャフトを3ベアリングから5ベアリングに変更し、A12、A13、A14、A15型へと改良、排気量アップが行われた。
しかも、OHVながら秘めたるポテンシャルは高く、ツーリングカーレスーでは徹底したチューニングにより、1.3Lながら175ps/10000rpmを発揮するまでに。そんなA型チューンは今もなお進化を続ける。
NAのキャブ仕様はもちろん、ターボチューンという新しいトレンドも動きだした。そんなA型チューンにのめり込む3台を紹介する!
1978年式 日産 サニー 1400 クーペ SGX-E
発売から50年以上たった今なお、A型エンジンはその限界を見せてはいない。その証拠に最新のフルコンピューターと熟練職人が作ったパイピングは、A14型をパワフルで、しかも乗りやすいターボチューンドに変ぼうさせてしまった。しかもボディは、レースシーンを思わせるオバフェン付きのクーペ。これを見ずして現代のA型シーンは語れない!
日産 サニー クーペ GX-5
かろうじてエンジンがかかるほど、程度が悪かったB110サニークーペGX-5。パーツ取りの危機を乗り越え、モディファイされたエンジンは、小排気量エンジンならではの高回転まで回す楽しみを味わうため、A12型をベースにチューンナップ。ダウンドラフト方式のFCRキャブレターで、吸気を燃焼室へダイレクトに送り込むことで、いざとなれば10000rpm以上が可能になっているという!
1971年式 日産 チェリー クーペ X-1・R
舵と駆動を前輪で担うFF。車内空間が広く取れるうえに軽さという面でも有利と、無駄がなく理にかなった駆動方式といえる。これを日産ではじめて取り入れたのがチェリーだ。その最上位グレードとなるX-1・Rが搭載したのは名機A12型。同時期に脚光を浴びたB110サニーGX-5とおなじ心臓部を持ち、マイナーツーリングでもあなどれない速さを見せた。そんな当時の雄姿を彷彿させる、X-1・Rワークス仕様がストリートに降臨した!
>>【画像23枚】その限界を見せていないA型チューンなど初出:ノスタルジックスピード 2018年11月号 vol.018
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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