応募総数は840万通以上! 公募により誕生した車名|1967年式 ダットサン サニー 1000 デラックス Vol.1

新しい時代を明るく照らしたクルマ。

       
【1967年式 ダットサン サニー 1000 デラックス Vol.1】

 1966年4月にデビューしたダットサンサニーは、当時のファミリーカーとして一般的だったブルーバードよりも1サイズ小さい、小型大衆車というカテゴリーを切り開いたクルマだ。同年11月にトヨタから発売された初代カローラ1100と、このクラスで激烈な販売競争を繰り広げることになる。この2車が登場した1966年をもってマイカー元年と呼ばれ、以降も好敵手として共に進化を続けた。50年の時を経た現在でも、カローラはカローラアクシオとして11代目が販売されている。サニーは2004年、9代目のB15で国内販売は終了したが、海外では今もその名が使われ続けている、ともに日本を代表する大衆車といえる。

 サニーの名前は一般公募により決定したもので、応募総数は840万通以上に達したというから、発売する前からこのクルマに対し、人々が強く期待していたことがよくわかる。

 ここに登場いただく初代サニーは1967年式で、デビュー後最初のマイナーチェンジを受けたモデルと思われる。現オーナーが20年前に中古車として購入したものだ。現オーナーで2オーナー目となるこのサニー。前オーナーも大切にしていたとみえ、ボディは新車時塗装のままで、全体のオリジナル度が高い。入手時には新車当時のホワイトリボンのバイアスタイヤが付いていたというが、さすがにこれはラジアルタイヤに交換している。

>>【画像22枚】カークーラーが一般的ではなかった時代には必須だった三角窓など




デラックスのみウオッシャーノズルが付く。初期は手動ポンプ式で、後に電動式に変更される。オーナーのサニーはポンプ本体が劣化で割れてしまったので電動に交換。





テールランプレンズにはEVER WINGの刻印がある。灯火類の製造メーカーである市光工業のブランド名だ。トランクリッドにサニー1000とデラックスのエンブレムが付く。


1967年式 ダットサン サニー 1000 デラックス(B10)
SPECIFICATIONS 諸元
全長 3820mm
全幅 1445mm
全高 1345mm
ホイールベース 2280mm
トレッド前/後 1190 / 1180mm
最低地上高 160mm
室内長 1630mm
室内幅 1255mm
室内高 1100mm
車両重量 645kg
乗車定員 5名
最高速度 135km / h
登坂能力 0.422sinθ
最小回転半径 4.0m
エンジン型式 A10型
エンジン種類 水冷直列4気筒OHV
総排気量 988cc
ボア×ストローク 73.0×59.0mm
圧縮比 8.5:1
最高出力 56ps / 6000rpm
最大トルク 7.7kg-m / 3600rpm
変速機 オールシンクロメッシュフロア式前進4段 / 後退 1段
変速比 1速 3.757 / 2速 2.169 / 3速 1.404 / 4速 1.000 / 後退 3.640
最終減速比 4.111
燃料タンク容量 35L
ステアリング形式 ボール循環式
サスペンション前/後 ウイッシュボーン横置リーフ / 半浮動式バンジョー型半楕円リーフスプリング
ブレーキ前/後 ツーリーディング式ドラム / リーディングトレーディング式ドラム
タイヤ前後とも 5.50-12-4PR
発売当時価格 46万円

【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2016年12月号 Vol.178(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1967年式 ダットサン サニー 1000 デラックス(全3記事)

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photo : DAIJIRO KORI/郡 大二郎

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