アプローズ QR-90【1】そこから開くの〜!? 90年代ダイハツ完全オリジナルの普通乗用車|1990年式 ダイハツ アプローズ QR-90

愛きょうのあるフロントマスクは、どことなく欧州車の雰囲気。92年にグリルのデザインが変更され、バンパーを大型化。さらに、97年のマイナーチェンジでは大型のメッキグリルが採用された

       
【5ドアハッチのセダンが好きだ! 1990年式 ダイハツ アプローズ QR-90 [1]】

毎年、軽自動車の販売シェアでスズキと壮絶な争いを繰り広げているダイハツ。それゆえ同社は軽自動車のイメージが強いが、以前はシャレードやシャルマンといった小型乗用車も販売していた。ただ、それらは他メーカーとの共同開発車やOEM供給車が多く、ダイハツが自社開発した車両は少ない。そんななかで、完全オリジナルの個性的なモデルがアプローズだった。

デビューは、R32GT-Rや初代セルシオなどが登場した1989年の7月。ただし、先行して同年春のスイス・ジュネーブショーに「MS-X90」として参考出品されており、ダイハツがアプローズにかける意気込みは並々ならぬものだったようだ。

>> 【画像17枚】そこから開いちゃうのっ! セダンに見えてじつは5ドア。斬新だったダイハツの独自開発車

アプローズはシャルマンの事実上の後継モデル。つまり、ダイハツ乗用車シリーズの最上級車だ。エクステリアは、そんなフラッグシップにふさわしいシックな3ボックスフォルムだが、じつはリアウインドーとトランク部分が一体となって持ち上がる5ドアハッチバック。「スーパーリッド」と呼ばれるリアゲートを採用し、セダンのスタイリングながら優れたユーティリティー性を実現。フォーマルなシーンからアクティブなレジャーシーンまでフィットすることができるのだ。こうした斬新な機構を取り入れた一方で、インテリアやメカニズムはオーソドックス。操作性を重視したインパネはシンプルなデザインだが、細部にまでモケット素材を採用したりソフトパッドを各部にあしらうなど、質感の高さは上級クラスに迫るほど。また、リアシートは分割可倒式で、リクライニングやフルフラットといったアレンジも可能だ。

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ラウンドさせることで広々感を演出したインパネ。併せて、ドアトリムからの連続性を持たせた形状となっており、デザイン性も高い。
>> ラウンドさせることで広々感を演出したインパネ。併せて、ドアトリムからの連続性を持たせた形状となっており、デザイン性も高い。


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1990年式 ダイハツ アプローズ QR-90

主要諸元 Specifications
1990年式 ダイハツ アプローズ QR-90


●全長×全幅×全高(㎜) 4260×1660×1375
●ホイールベース(㎜)  2470
●トレッド前/後(㎜) 1425/1415
●車両重量(㎏)  1000
●エンジン型式  HD-E型
●エンジン種類 直列4気筒SOHC
●総排気量(cc) 1589
●ボア×ストローク(㎜) 76.0×87.6
●圧縮比9.5:1
●最高出力(ps/rpm) 120/6300
●最大トルク(㎏-m/rpm) 14.3/4800
●変速比 1速3.643/2速2.008/3速1.296/4速0.892/後退2.977
●最終減速比 2.821
●ステアリング ラック&ピニオン
●サスペンション ストラット(前後とも)
●ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
●タイヤ 175/70R13(前後とも)
●発売当時価格 133.5万円


初出:ハチマルヒーロー vol.45 2018年 1月号 
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1990年式 ダイハツ アプローズ QR-90(全2記事)

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TEXT : Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO : MAKOTO INOUE/井上 誠

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