デボネア60周年ミーティング【2】ファミリーカーとして乗り続けられてきたイベント1番乗りのデボネア|第3回デボリンピック イン 三菱オートギャラリー vol.2

1967年式のLPG仕様という珍しいデボネア

       
【1】から続く
【第3回デボリンピック イン 三菱オートギャラリー vol.2】
2024年は、初代デボネアの発売から60年と記念すべき年。
そんな年に「デボリンピック」は、三菱自動車の岡崎製作所内にある「三菱オートギャラリー」の見学を兼ねたミーティングとして開催された。

ここからは参加車両のうち、初代デボネアとそのオーナーを紹介していこう。

ちなみに、初代デボネアは22年のモデルイヤーの間に、3度のマイナーチェンジを実施している。
登場時の車両型式はA30で、デボネア用に新開発された直列6気筒OHVのKE64型エンジンを搭載。
ベースとなったのはトラックのジュピター用ディーゼルエンジンで、これをガソリンエンジン化したものだ。
排気量2リットルで105psを発揮した。

フロントサスにはダブルウイッシュボーン式独立懸架、リアは半浮動式の3枚リーフスプリングを採用し、ホイールベース2690mmは変わらないが、マイナーチェンジごとにエンジンが変更されている。

>> 【画像15枚】同じデボネアでもオーナーそれぞれの個性が見られる。

1970年9月16日には最初のマイナーチェンジが行われ、車両型式がA31、車名も「デボネア エグゼクティブ」に変更。
エンジンはギャラン・ランサー向けの4G3系「サターンエンジン」の6気筒版である6G34型を搭載しており、排気量2リットルは変わらないものの、最高出力は130psに向上している。

1976年には2度目のマイナーチェンジが行われA32に進化。車名が「デボネア エグゼクティブSE」となる。
当時の排ガス規制に対応し、サーマルリアクターとバランサーシャフトを備えた直列4気筒2.6リットルの4G54型「アストロンエンジン」を搭載した。トランスミッションがATのみのラインアップとなっている。

最後のマイナーチェンジが行われたのは2年後の1978年のこと。更に厳しくなった排ガス規制に対応するため、アストロンエンジンにMCA-jetを採用した4G54B型エンジンを搭載し、車両型式がE-A33に変更された。
この時の変更は大きくなかったが、その後1986年の販売終了まで、内外装に細かな変更が行われている。

1974年式 三菱デボネア エグゼクティブ(A31)


当日、会場に一番乗りだったオーナーは遠路東京からの参加。
独特なデザインと、前席ベンチシートである点が気に入って入手したベージュとアイボリーの2トーン仕様で、ファミリーカーとして24年間乗り続けるメイン車だという。

バースデー旅行に出かけた先で水漏れ、高速道路でエンジンが焼き付くという不幸にも見舞われたが、それでもエンジンを載せ替えて乗り続けている。
サビだらけだったボンネットを交換、フロアのサビ穴はFRPで補修と、サビで悩まされてきたこともあり、水洗い洗車をせずに維持するよう気をつけているという。


>>デボネアには高級車らしく純正クーラーが装備されているが、この個体ではガス抜けした後、修理してまた抜けるよりは、と吊り下げ式のクーラーを後付けしている。

1973年式 三菱デボネア エグゼクティブDX(A31)


>>車両型式としては最初のマイナーチェンジが行われたあとのA31だが、オーナーの好みにより、マイナーチェンジ前のA30の後期仕様の内外装にモディファイしている。


>>テールランプは貴重なL字形としている。

1973年式 三菱デボネア エグゼクティブ(A31)


>>サターンエンジン搭載のA31も一度見た目の変更が行われているが、この個体は前から見たら前期型、後ろから見たら後期型というスタイルとなっている。グリーンのカラーリングが美しい。
オーナーはデボネアのスタイルに一目惚れしてぜひ買いたいと思っていたが、当時結婚を控えており悩んでいたところ、奥様に後押しされて購入を決断したという。


>>年代によって微妙に変化しているデボネア。オーナー好みの外見に変更された個体も。

【3】に続く

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第3回デボリンピック(全3記事)

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text & photo : NOSTALGIC HERO/編集部

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