進化する「頭文字」レプリカ 最終回【3】「コレ、ほんまは自分が乗りたかったわ」作った人までとりこにする仕上がりのAE86 S/C

至福のときの鶴岡さん。細かな挙動の変化が起こったり不明点が生じた際は逐一、カーランドに問い合わせる。AE86を知り尽くした得知代表は、まるで質問を予期していたかのように、そのつど懇切丁寧にレクチャーしてくれる。

【2】から続く

声優界でもクルマ好きは多いのだとか。サザエさんの磯野波平役の茶風林さんもそのひとり。AE86は世代を超えたコミュニケーションをする役も担っているとか。

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 全開走行はまだ未体験だが、街中ではシュンシュンと小気味よく回る4A‐G型らしさを堪能している。あまりの気持ちよさに、3速以上を使うことはまれだという。ブレーキもスポーツパッドへの交換にとどめた身の丈にあったキャパシティ。不足するストッピングパワーは、前述のエンジンブレーキを最適に利かせる術を取得中だ。得知さんのオリジナルセットの減衰は、都心での使用を見越したような最適なトラクションに大満足だ。「やるからには、とことんやる」という得知代表のポリシーが詰まった秋山仕様レビン。シェイクダウンの際に得知代表がつぶやいたは「コレ、ほんまは自分が乗りたかったわ」は偽らざる本音だ。作った人までとりこにする図抜けた品質。

 鶴岡さんをして「走る、曲がる、止まるという基本を、AE86に乗るようになってより深く考えるようになりました」という、ドライビングの原点回帰をも促すマシン。エンジニアリング的には30年以上前の思想のはずなのに、いったいどこまで、ファンを魅了し続けるのだろうか。

【画像11枚】鶴岡聡さんのアニメのアフレコの様子。聖戦ファンタジー作品「Fate/Apocrypha」(フェイト/アポクリファ)において、赤のバーサーカー役を演じる鶴岡さん



>>秋山仕様レビンのあゆみ|2017年2月
ユーズドパーツ市場にもほとんど流通しない4A-GZE型エンジンの捜索は困難を極めた。素性を確かめるため、車両に搭載された状態で入手することができた。特殊形状のインテークパイプはワンオフ。カーランドオリジナルエキマニが輝く。



>>秋山仕様レビンのあゆみ|2017年4月
京都カーランドのホーム、嵐山のワインディングにてシェイクダウン。初期性能をいつまでも長持ちさせるための「得知メソッド」を伝授してもらったオーナー・鶴岡さん。初のFR車、発の過給器付き車両体験。ラグのないS/Cの加速フィールに衝撃を受けた。
【1】【2】から続く

進化する「頭文字D」レプリカ 最終回(全3記事)
初出:ハチマルヒーロー 2017年7月号 Vol.42

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
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TEXT:KIYOSHI HATAZAWA/畑澤清志 PHOTO:MAKOTO INOUE/井上誠

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