「頭文字D」レプリカ、ソリッドルーフなのに内装はサンルーフ仕様「純正パーツの供給面など考えると、何かあったらもう乗れないかもしれない」【4】進化する「頭文字D」レプリカ

ソリッドルーフ(サンルーフ無)のパネルも用意された

       
声優・鶴岡聡さん秋山渉レビン製作 リアル拓海 ── 声優・三木眞一郎の乗る、こだわりのAE86に学ぶ

頭文字Dレプリカの新たな可能性を探るべくスタートした、秋山渉レビン製作プロジェクト。頭文字D仕様=AE86トレノ、という定説への挑戦だ。オーナーは現役の声優・鶴岡聡さん。師弟の関係にある先輩・三木眞一郎さんのマシンメイクをひもときながら、自身のレビンへと思いをはせる。

【 進化する「頭文字D」レプリカ Vol.4】

【2】から続く

 ちなみに三木さんのAE86以外の愛車は、ケーターハムスーパー7、ルノー・サンクターボⅠというこだわりのラインナップ。

「もともとバイク乗りだけに、挙動がダイレクトに感じるクルマが好きなんです。ソファのような快適さは自分には合わないんです」。
 とはいえ、スーパー7は車高が低すぎてコイン駐車場に入れることができず、サンクターボはエアコンがないので夏は蒸し風呂状態なんだとか。

「どうしてもAE86の出番が増えますよね(笑)。いまではすっかりファーストカーです」。

 コンパクトな取り回しは都心の移動でも有利。伝説の陰に忘れがちになるが、元来AE86は「カローラ/スプリンター」の名が付く由緒正しきファミリーカーブランドに属する。ゆえにハッチバックの積載性も、日常使いに役に立っているという。

「ドアが長いので、移動先で停める際は運転席側に余裕のある駐車場を探します」と、つねにAE86と寄り添う三木さんならではの愛を、ここでも感じる。

 今回、メーターパネルの換装とあわせてドライビングポジションの最適化が行われたのも、日常の足としての機能を犠牲にしたくないからだ。自然なアイポイントがとれるよう、ミリ単位でのシートポジションの微調整が行われた。

 公道での万が一を防ぐためのボンネットピン、照り返しを防ぐためダッシュボードにマットを装着するなど、机上だけではわからない三木さんならではのストリート発のこだわりが随所に見えるAE86。飾るだけのレプリカではないのだ。

「純正パーツの供給面など考えると、何かあったらもう乗れないかもしれない。でも乗りたい。AE86に乗ることは二律背反なんです。これはある意味スーパーカーと同じ。いや、新車のスーパーカーよりも悩ましい存在です。これからも、AE86を守るためにAE86に乗り続けていく。そしていい状態を保っていきます」。


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>> リアル拓海号のイタルボランテではないが、ほどよいディープさはドラポジを最優先させたため。街中でノンパワステでも、できるだけ無理なく操れるセットなのだ。





>> ソリッドルーフ(サンルーフ無)なのに内装はサンルーフ仕様。ここは拓海仕様だ。秋山渉も同様なのは、しげの秀一先生のこだわりなのだろう。


【三木眞一郎】


3月18日生まれ。アニメ版「頭文字D」主人公・藤原拓海役を長きにわたって演じる声優。4月13日から17日まで、東京シアタートラムにて女優・名取裕子さんとの二人芝居「マーシー・シート」が公演される。9.11米同時多発テロをきっかけに起こる男女の心の揺れを描く海外の名作を日本で初舞台化。声優業とは違う、三木さんの新たな一面を発見できるはずだ。




初出:ハチマルヒーロー 2016年 5月号 vol.35
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

進化する「頭文字D」レプリカ(全4記事)

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【1】【2】【3】から続く

text : KIYOSHI HATAZAWA/畑澤清志 photo : MINAI HIROTAKA/南井浩孝

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