あこがれのワイスピ仕様を超越! 全方位完成度を極めたマッシブなZ|フェアレディZ + RB26DET型|魔性の魅力 チューンドS30Z

RB26DET型エンジンをS30Zに搭載

       

16年からスタートしたこのプロジェクトだが、最初のベース車両選びから難航。手を入れて仕上げることを考えると、ノーマルの良質なベース車は高すぎるし、安いと思って見に行くと、想像以上に程度が悪いなど、マーケットには使えるZが少なかった。

「とにかく、ベース車がないと始まらないので、最終的には東京のオークションで車体を見ずに購入しました。73年式で価格は290万円。L28型が載っていましたが、雨漏りするというまあまあひどい個体でした。ただ、今ではこの程度のクルマも300万円では買えないので、早めに手に入れてよかったと思います」

とはいえ、雨漏り歴のあるクルマ、車内のカーペットをまくっていくと、サビや腐食などが広範囲に及んでおり、はっきりいってフロアの程度はよくなかった。最終的にはドンガラの状態からのスタートとなったそうだ。

そして、心臓部に火が入り、地面に着地。このS30Zが公道を走り出すまで、4年の月日を必要とした。それを長いか、短いとするかの判断は個人によって異なるが、オーナーのS30Zに施された徹底的なボディーメイクを見ると、その歳月も必要だったかと素直にうなずかされる。特に下まわりの眺めは圧巻で、ボディーフロアはほぼ全域にわたって新造。本気でスポーツ走行を楽しむオーナーならば、この作り込みはうらやましい限りだろう!
「ボディーメイクはわたしの欲がありすぎ、こだわらなくてよいところまでこだわってしまったのが時間がかかってしまった要因です。作り手としては、せっかくボディーをドンガラにしたので、バラしたときにしかできない補強や処置は施しておきたい。特にシート以降のフロアを作り直したので、ああしたい、こうしたいという思いも強く、オーナーにはかなり無理をお願いしたかもしれません」と小西代表。

現在ミッションはR33のタイプM用だが、R34のゲトラグ搭載を想定してフロアトンネルを拡大し、床下は補強を入れつつ、可能な限りフラット化。ロールケージはガゼットを取り付けてボディーにフル溶接するなど、予算が許す限り、走りの基本となる骨格の強化と、今後のバージョンアップを想定したボディー作りを優先させた。

「販売車両ならここまで手をかけることなく、ある程度の修正で済ましています。ただ、オーナーとは長いお付き合いになることは分かっていますし、サーキット走行もされますから、『それなら、やれることは今やりませんか』という感じでしたね」と小西代表。

>>斜め後ろから見たタイヤが大きく横にせり出したスタイルがパンデムのエアロの真骨頂。リアウイング、ガーニッシュ、バンパーはリスタードだ。

TEXT:SHINICHI YAMAZAKI/山崎真一 PHOTO:RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス) COOPERATION:Custom Sports Mandy/カスタムスポーツ マンディ

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