計5台所有していたGT-R。このクルマだけは手放さなかった。新車から乗り続ける白いケンメリGT-R|ワンオーナーズヒストリー|1973年式 日産 スカイラインHT 2000GT-R【1】

GT-R専用デザインのグリルはダークグレーで、GT-Rのエンブレムが目を引くデザイン。ライトはハイ、ローとも昭和なシールドビームだ

       
クルマは、手に入れることよりも、大切に乗り続けることのほうがずっと難しい。人の気持ちは移りがちで冷めやすく、そしてクルマは使わずとも年々確実に老いていくからだ。今回紹介する愛車に一途なオーナーは、希少なケンメリGT-Rを新車で手に入れて以来、45年にわたって所有し続ける。何人もの人から「譲ってほしい」という声にも手放なさなかった、そのほれ込みようは並ではない。

【ワンオーナーズヒストリー 1973年式 日産 スカイラインHT 2000GT-R vol.1】

このケンメリGT-Rのフレームに刻まれた車台番号は、KPGC110‐00023。1973年の半年ほどしか生産されなかった貴重なケンメリRを、生産終了直前に手に入れ、以来45年にわたり付き合い続けている。

若かりし頃、オーナーは地元で知らない人がいない熱狂的なモーターフリークで、同じように大のクルマ好きだった実兄との共同で、複数台のクルマを所有していた。

その中でも、最も気に入っていたのがスカイラインのGT-Rで、当時はGT-Rだけでも、ハコスカが3台に、ケンメリがもう1台の合計5台。その後、家業が衰退し、独立、結婚と、愛車を手放すことを余儀なくされたが、新車からい所有する白いケンメリGT-Rだけは手元に残した。

「実をいうと、イジるつもりで中古のケンメリRを78年4月に買ったんです。ところが、79年11月23日に盗難に遭いましてん。それだけは忘れられません」と苦い思い出を語るオーナー。ケンメリを残した理由はやっぱり希少性。

【画像27枚】かつては計5台所有していたGT-R。その後手放すことを余儀なくされたが、この白いケンメリだけは手放さなかった


>>新車時からまったく手を加えていない実走4万5000㎞の奇跡のケンメリR



>>大径のタコメーターとスピードメーター。タコメーターは10000rpmで、レッドゾーンは7500rpmから。スピードは240km/hで、レッドゾーンは200km/hから。取材時のオドメーターは4万5144km。


1973年式 日産 スカイラインHT 2000GT-R


全長4460mm
全幅1695mm
全高1380mm
ホイールベース2610mm
トレッド前/後1395/1375mm
最低地上高165mm
室内長1790mm
室内幅1340mm
室内高1125mm
車両重量1145kg
乗車定員5名
最高速度200km/h
登坂能力tanθ0.46
最小回転半径5.2m
エンジン型式S20型
エンジン種類水冷直列6気筒DOHC
総排気量1989cc
ボア×ストローク82.0×62.8mm
圧縮比9.5:1
最高出力160ps/7000rpm
最大トルク18.0㎏-m/5600rpm
変速比1速2.906/2速1.902/3速1.308/4速1.000/5速0.864/後退3.382
最終減速比4.444
燃料タンク容量55L
ステアリング形式リサーキュレーティングボール
サスペンション前/後ストラット式独立懸架/セミトレーリングアーム式独立懸架
ブレーキ前後ともディスク
タイヤ前後とも175HR14
発売当時価格163万円



【2】へ続く


初出:ノスタルジックヒーロー2018年10月号 Vol.189
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1973年式 日産 スカイラインHT 2000GT-R(全3記事)

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text:Isao Katsumori(Zoo)/勝森勇夫(ズー) photo:Ryota-Raw Shimizu(Foxx Bookes)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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