なぜ下位グレード? コストがかかった前中期モデル。実はランクルマニア垂ぜんの超希少個体なのだ|1996年式 トヨタ ランドクルーザーワゴン GX【4】

観音開きのバックドアには、両側にワイパーが付く。現代まで見渡しても観音ドアのダブルワイパーはほとんどない

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「とくに前期と中期モデルはコストがかかっています。後期モデルではバンパーのメッキ加飾がなくなったり、インパネデザインも大幅に変更されてしまいましたから」と話すのは、ユーティリタスの池谷祐一さん。

DR30スカイラインで有名な同店だが、ランクル60やFJクルーザーも専門的に扱っており、ランクル80にも精通する。ちなみに、エンジンがガソリン4Lからガソリン4.5Lに変更された92年8月のマイナーチェンジからが中期、エクステリアやインテリアの意匠が変更された95年1月のマイナーチェンジ以降が後期。

加えて、前/中/後期間でも細かな改良が施されているので、ランクル80は意外なほど複雑なのだ。

今回の撮影車両は、特集内容を考えれば最上級のVXリミテッドがふさわしいかもしれない。だがチョイスしたのは下位グレードのGX。

この個体はマニア垂涎の非常にレアな仕様なのだ。ナローボディのワゴンGXと言えばランクルファンはピンと来るだろう。

仕様は後期4.5Lガソリン車で、テールゲートは観音開き。さらにフェンダーミラーの5速MTだ。
【画像20枚】95年1月のマイナーチェンジでインパネデザインを変更。前・中期はメーターからコンソールまでを一体とした特徴的なセンターフルコンソールで、後期は写真のようにセパレートとなった


>>メーターはオーソドックスなアナログ2眼。


>>右にエアコンスイッチ、左にオーディオを配置する大型センターコンソール。スイッチが大きく、操作性が高い。ナビは社外品を装着。

主要諸元 Specifications
ランドクルーザー ワゴン GX(FZJ80G)

全長×全幅×全高(mm) 4820×1830×1850
ホイールベース(mm) 2850
トレッド前/後(mm) 1535/1540
車両重量(kg) 2100
エンジン型式 1FZ-FE型
エンジン種類 直列6気筒DOHC
総排気量(cc) 4476
ボア×ストローク(mm) 100.0×95.0
圧縮比 9.0:1
最高出力(ps/rpm) 215/4600
最大トルク(kg-m/rpm) 38.0/3200
変速比 1速4.081/2速2.294/3速1.490/
4速1.000/5速0.881/後退4.313
最終減速比 3.727
ステアリング ボールナット
サスペンション前/後 リーディングアーム/4リンク
ブレーキ前 ベンチレーテッドディスク
    後 リーディングトレーディング
タイヤ 215/80R16(前後とも)
発売当時価格 293.9万円

【5】へ続く

初出:ハチマルヒーロー2017年1月号 vol.39
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1996年式 トヨタ ランドクルーザーワゴン GX(全5記事)

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