250km/hを超える超高速走行が行えるテストコース新設! 欧州最上級サルーンと互角に渡り合える、圧倒的な高速クルージング性能を秘めた一台|1994年式 トヨタ セルシオ C仕様【2】

1UZ-FE型は見た目の美しさを考慮し、メカニズムや補器類をレイアウト。さらに、エンジンルームの空気の流れについても考えられている

【1994年式 トヨタ セルシオ C仕様 vol.2】

開発にあたっては、250km/hを超える超高速走行から極寒テストまで行えるテストコースを、北海道士別市に建造することから始まった。セルシオのために作られたこのテストコースでは、優れた直進安定性や操縦性、高い動力性能と静粛性といった高級車の新しい世界基準を作り上げるべく、徹底的な走り込みを実施。

そして、欧州の最上級サルーンと互角に渡り合える、圧倒的な高速クルージング性能を手に入れたのである。

高級車にふさわしい性能を実現させるため、いくつもの新技術・新機構が投入されたが、そのひとつが新開発4LV8の1UZ‐FE型だ。このエンジンは、バルブをタイミングベルトとシザーズギアを介して4本のカムで駆動させるハイメカツインカム機構を採用。260ps/36.0kg‐mというスペックを誇りながら低燃費を実現するとともに、低振動・低騒音を達成。

さらに、最新の生産技術を駆使して各部の精度を飛躍的に高めることで、圧倒的な静粛性も実現した。ちなみに1UZ‐FE型は、先行してクラウンに搭載されたものの、本来はセルシオ専用として開発されたというのは有名な話。
【画像19枚】前期のホイールは15インチだったが、後期で16インチにサイズアップ。ブレーキも拡大された。スペアタイヤはテンパーが標準だが、オプションの車両装着タイヤを装備。ホイールカバーや固定金具も、テンパー用とは異なるそうだ



>>取材車両はオプションのコーナーセンサーも装備。センサーは四隅ではなく左側前後だけの設定だった。また、前期はバンパー上に設置されていたが、後期では埋め込み式に変更された。

1994年式 トヨタ セルシオ C仕様(UCF11)

全長×全幅×全高(mm) 4995×1830×1410
ホイールベース(mm)  2815
トレッド(mm) 1565(前後とも)
車両重量(kg)  1790
エンジン型式  1UZ-FE型
エンジン種類 V型8気筒DOHC
総排気量(cc) 3968
ボア×ストローク(mm) 87.5×82.5
圧縮比10.0:1
最高出力(ps/rpm) 260/5400
最大トルク(kg-m/rpm) 36.0/4600
変速比 1速2.531/2速1.531/3速1.000/
4速0.705/後退1.880
最終減速比 3.916
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ダブルウイッシュボーン(前後とも)
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 225/60R16(前後とも)
発売当時価格 580万円

【3】へ続く

初出:ハチマルヒーロー2017年1月号 vol.39
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1994年式 トヨタ セルシオ C仕様(全4記事)

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