日本でも人気を博したトラストポルシェをはじめ、かつて一世を風靡していた車両が登場するのも見どころだ|健在なり、日本のグループCカー【7】

日本ではあまり話題にならなかったが、1990年のル・マンで2台のジャガーに続き3位に食い込んだアルファポルシェ962C。ル・マンでのショートテールボディが特徴的だ。

ヒストリックカーレースの最高峰、ル・マン・クラシックが2016年も開催された。相変わらず盛況だったが、今回は人気のグループCカーレースも組み込まれ、かつてない盛り上がりを見せていた。そして、目についたのが日本勢の存在。かつてル・マンやJSPCを走った車両が再びル・マンを快走した。その様子をお伝えしよう。

【健在なり、日本のグループCカー vol.7】

その筆頭格は、なんといってもトラストポルシェ956だ。JSPC(全日本スポーツプロトタイプカー選手権)シリーズ開幕初年の83年にトラストが投入。以後に続くプライベートポルシェ勢の先駆けとなり、同年のJSPCを4戦4勝でタイトルを獲得。日産、トヨタのメーカー系車両を子供扱い以下にした車両だ。

同じポルシェでも、グループCレース終盤期の仕様で走っていたのがレイトンハウスポルシェ962Cだ。80年代終盤、レイトンハウスがF1(レイトンマーチ)にも進出していた時期で、ブルーグリーンとでも表現できる独特のカラーが印象的な車両だ。

当時は折からのバブル期。F3000は経験したがF1は機会がなく、というF1予備軍とでも言えるようなドライバーが、ギャランティのよさも手伝って日本のレースに参戦。

レイトンポルシェのドライバーも例外ではなく、クリス・ニッセンとフォルカー・バイドラーが務めていた。バイドラーはその後、マツダ787Bで91年ル・マンを制覇することになる。
【画像17枚】グループC参戦当初の久保田さんは、当時と同じくゼッケン25で走っていたが、現在は23に変更し、同シリーズにレギュラー参戦中だ


>>VRH35型エンジン搭載の日産Cカーはサテライトチームに放出されたが、なかでも印象的なカラーリングはこのフロムエー。同車は92年のデイトナ24時間にも参戦している。

【8】へ続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年11月号 Vol.38
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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関連記事:ル・マン・クラシック

text&photo : Akihiko Ouchi/大内明彦

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