世界中から注目を集めるグループCカーレースに、日本製Cカーで挑む日本人がいた|健在なり、日本のグループCカー【3】

1985年のル・マンを思わせるトムス85Cの勇姿。30年以上も前のことになるが古さを感じさせない童夢のデザインはみごと。デザイン的にまとまったローマウントライトだが照度が不足気味とも言う。

ヒストリックカーレースの最高峰、ル・マン・クラシックが2016年も開催された。相変わらず盛況だったが、今回は人気のグループCカーレースも組み込まれ、かつてない盛り上がりを見せていた。そして、目についたのが日本勢の存在。かつてル・マンやJSPCを走った車両が再びル・マンを快走した。その様子をお伝えしよう。

【健在なり、日本のグループCカー vol.3】

そのグループCカーレースに、日本製Cカーで参加する日本人がいた。日産R90CKを使う久保田克昭さんとトムス85Cをレストアし、今回が初参加となる国江仙嗣さんのお二人だ。

ル・マン・クラシックへの参加が念願だったという国江さんは、トムス85Cを入手してレストア。この車両は見てのとおり、白地にレイトンハウスの文字を配した85年のル・マン参戦車で、当時のドライバーは中嶋悟/関谷正徳/星野薫組。31年ぶりのル・マン挑戦となっていた。

トムス85Cは、正確には童夢85Cとなるモデルだが、トヨタがル・マンに挑戦を始めた最初のモデルで、実際にはトヨタでなく、トムスと童夢の共同プロジェクトにトヨタ東富士開発の4T-G型ターボエンジンを組み合わせる態勢だった。

国江さんの85Cは、今回のル・マン参戦に向けレストア作業を急ぎなんとか間に合わせたという事情を抱え、練習走行が実質のシェイクダウン走行となるあわただしい経過だった。
【画像17枚】今回のル・マン参戦が念願だったという国江さん。。急ぎレストア作業を敢行した


>>レストア作業を急ぎ今回のル・マン・クラシックに間に合わせたオーナー兼ドライバーの国江仙嗣さん。緊張はあるものの、あこがれだったル・マンを自らの運転で走れることに大きな満足感を得たという。


【4】へ続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年11月号 Vol.38
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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関連記事:ル・マン・クラシック

text&photo : Akihiko Ouchi/大内明彦

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