参加申込みが多く、出走するだけでも難しい現状のル・マン・クラシック。エントリー台数の多いモデルではなおさらだ|健在なり、日本のグループCカー【4】

本来は4T-G型ターボを積むトムス85Cだが、リペアパーツがなく主催者の了承を得て、本来なら86C以降で使われる3S-G型ターボに換装。残念ながら燃料系のトラブルで完走はできなかった。

ヒストリックカーレースの最高峰、ル・マン・クラシックが2016年も開催された。相変わらず盛況だったが、今回は人気のグループCカーレースも組み込まれ、かつてない盛り上がりを見せていた。そして、目についたのが日本勢の存在。かつてル・マンやJSPCを走った車両が再びル・マンを快走した。その様子をお伝えしよう。

【健在なり、日本のグループCカー vol.4】

また、リペアパーツの問題から4T-G型ターボの復旧がほぼ不可能で、代替エンジンとして3S-G型ターボを選択。実際には、85C+3S-G型ターボのパッケージングによる実戦参加例はなく、主催者に状況を説明のうえ、了承を得て積み替えたものだ。

ル・マン・クラシックの参加規定には、その車両が現役当時の車両諸元に準じること、という項目があり、エントリー台数の多いモデル、たとえばポルシェ906あたりだとオリジナルと搭載エンジンが異なったりするケースでは、まず参加は不可能だという。

逆に、ル・マンを走った車両でありながら、なんらかの理由によって原状復帰が不可能なケースで、しかも今回のように珍しい車両である場合には、考慮の余地があるようだ。現在のル・マン・クラシックは、参加申し込みが多く、ふるいにかけるかたちで出走車を絞り込んでいるような状態だ。
【画像17枚】4T-G型ターボの復旧がほぼ不可能とあって、3S-G型ターボへの積替えを選択。今回のような珍しい車両であれば、了承を得られることもあるのだ

【5】へ続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年11月号 Vol.38
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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text&photo : Akihiko Ouchi/大内明彦

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