ツインターボはあった!? ハードトップより短い全長で、室内は40ミリ長いセダン|1988年式 トヨタ マークⅡ セダン グランデ【2】

71の特徴ともいえるメーターナセル左右のサテライトスイッチ。グランデ系は右にリモコンミラーとハザード、フォグランプのスイッチ、左はラジオとエアコンのコントロールスイッチがレイアウトされる

【1】から続く

ハチマル車で流行したボディカラー、それが「純白」である。それがはやった背景として、高級感のあるクルマをサス「ハイソカー」のブームであった。特に「純白」カラーをはやらせた61系マークⅡ3兄弟の中で唯一複数ラインアップを持つマークⅡがあり、それがハードトップとセダンであった。

【我が名はGX71 トヨタ マークⅡ セダン グランデ vol.2】

 セダンのスタイルは6ライトウインドー。同じセダンボディのクレスタとは違う、オーソドックスだからこその落ち着きと格調の高さを持っている。そして、エンジンも特徴的で、2L直列6気筒のみのハードトップに対して、セダンは1.8L直列4気筒の1S型や2.4L直列4気筒ディーゼルの2L型も搭載。グレードも1G型系のグランデを筆頭に、4気筒にLGやLS、GR、GL、STDを用意するなど、ラインナップがとてもに豊富だった。4気筒モデルは自家用だけでなく事業用としても使われており、その点でもセダンは社会全体に広まっていたのだ。

 また、セダンとハードトップの違いは、ボディ形状だけではない。セダンのボディサイズはハードトップよりも40mm短いにも関わらず、室内長は40mmも長い。加えて全高が30mm高く、それに伴い室内高も30mm拡大。つまり、室内空間はセダンのほうが広いのだ。それはドライバーだけでなく後席の乗員にも恩恵を与え、乗る人すべてにくつろぎの時間を提供する。スタイリッシュでツインターボも用意するハードトップと違い、セダンは快適性ともてなしの心を重んじる王道だった。

【画像17枚】ツインターボはラインアップされていなかったとはいえ、エンジンのラインアップがとても豊富だったからこそ、セダンは自家用だけでなく事業用としても使われ社会全体に広まった



>>インパネまわりもフルノーマルで、セダンとハードトップは同一デザイン。ダッシュボードの傷みもなく、驚異的なコンディションにため息が漏れる。



>>シングルカムのグランデはアナログメーターが標準で、話題のデジパネはオプション設定。




>>2L直6の1G型だけでなく、1.8L直4や2.4L直4ディーゼルエンジンを搭載するのがハードトップと大きく異なる部分。ただし、セダンにはツインターボは搭載されない。



マークⅡ セダン グランデ (GX71)主要諸元

全長×全幅×全高(mm) 4650×1690×1415
ホイールベース(mm) 2660
トレッド前/後(mm) 1425/1440
車両重量(kg) 1280
エンジン型式 1G-EU型
エンジン種類 直列6気筒SOHC
総排気量(cc) 1988
ボア×ストローク(mm) 75.0×75.0
圧縮比 9.2:1
最高出力(ps/rpm) 130/5400
最大トルク(kg-m/rpm) 17.5/4400
変速比 1速2.450/2速1.450/3速1.000/4速0.688/後退2.222
最終減速比 4.100
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット/セミトレーリングアーム
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 185/70SR14(前後とも)
発売当時価格 224.0万円


【3】へ続く

初出:ハチマルヒーロー 2017年3月号 Vol.40
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1988年式トヨタ マークⅡ セダン グランデ(全3記事)

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photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ) /text:Rino Creative/リノクリエイティブ

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