設計士との細かいやり取りで造り上げていった、趣味の館としてのガレージハウス|旧車と夢の詰まったガレージ【1】

スバル360の小ささを生かし、ガレージ内には合計4台のクルマが収まる。クルマの出身地も入手場所もバラエティに富んだ顔ぶれだ

       
【旧車と夢の詰まったガレージ vol.1 】

とある住宅地の中に突如として現れる真っ赤な2枚のシャッター。ドアまで赤く塗られたガレージは、赤とグレーのコントラストが見る者に強いインパクトを与える。

2階に居住部分のある、いわゆるガレージハウスだが、オーナーの自宅ではない。数年前、定年によるリタイアを控えたオーナーが、定年後に趣味を楽しむために、自宅近くに土地を見つけ、趣味の館としてのガレージハウスを建てることにした、というわけだ。

いざ建築を決意すると、知り合いのオーナーのガレージなどを見て、自分の理想のガレージを思い描いていった。当初造りたかったのは3階建てにし、1階からリフトで上げた愛車を2階のリビングで見られるようにしたかったという。

しかし、その通りに作るとかなりの建築費になることが判明。泣く泣く方針を変更し、現状のような1階ガレージ、2階リビング、という構造に落ち着いた。コストを抑えるために木造にしつつ、ガレージとして十分な広い空間を確保するために、耐力壁を櫛形に設置。

さらにその壁を利用した棚が作られるなど、設計士との細かいやり取りで造り上げていった。

【画像22枚】定年によるリタイアを控えたオーナーが、自分の理想を詰め込んで建てた理想のガレージ。シャッター自体は文化シヤッターの製品だが、角田さんの好きな色で、会社のコーポレートカラーでもある赤色で焼き付け塗装を施した


>>クルマ仲間が増えるきっかけのポルシェは、長年乗り継いできている。赤色好きのオーナーだけに、以前は赤い911カレラに乗っていたが、現在はボディが黒、内装が真紅の911ターボを所有。


>>アバルトがチューンしたA112型エンジンを搭載するコルサ仕様のフィアットアバルト。かつてはTCRマフラーを装着していたが、住宅地では排気音が大きすぎるために交換済。


>>車名がそのまま、前輪(アバン)駆動(トラクシオン)を意味するトラクシオン・アバン。設計された1934年としては非常に先進的だったFFを採用し、以降のシトロエン車の基礎を作った。




初出:ノスタルジックヒーロー 2019年 6月号 Vol.193

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)


旧車と夢の詰まったガレージ(全2記事)


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【2】に続く

photo:Ryota--Raw Shimizu/清水良太郎 Illust: Masaki Takanashi/高梨真樹

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