<神奈川宿>歌川広重の浮世絵にも描かれた旧道。日常の中にさりげなく残る歴史の痕跡|スバル360で素敵探検 大貴 誠のレディーバードの旅 第46回 中編

今回の取材をするきっかけになった青木橋

港町横浜。むかし海だった場所に行ってみた。そこにあったのは……?

【スバル360で素敵探検 大貴 誠のレディーバードの旅 第46回 中編】

歌川広重「神奈川」の浮世絵にある旅籠が今も料亭となって残ってる旧道が、交差点から分岐して伸びています。坂道の勾配とかカーブの具合なんか、広重の絵と同じ(に見える)。

一見ふつうの道と街並みだけだけど、今立っている道が、むかしは海岸線。すぐ横は浮世絵の青い海。それが今は横浜駅に高島屋にそごうに日産、ビルがびっしり建ち並んでる。なんか不思議な気分。

それだけの海を埋め立てるために削られたのが、青木橋をはさんで位置する高島山と権現山。元はツライチでつながってたということが信じられませんが、残った部分は今もそのあたりでいちばんの高台で、城跡や古いお寺(黒船時代の外国領事館)が残っています。

といっても、近所のお母さんが子供を遊ばせてる、こぢんまりした公園の遊具のうしろに、さりげなく碑が立ってたり、その程度。お寺も震災や戦災で建て直されていて、はっきりいって風情とかはない。

【画像22枚】近所のお母さんが子どもを遊ばせる公園の遊具の後ろに石碑が立っているなど、さりげなく歴史の痕跡が残る




神奈川宿と田中家

広重の五十三次「神奈川」、神奈川区民センターや神奈川図書館でじっくり史料見てから、神奈川宿に今も残る「田中家」へ。格式の高い料亭ですが、お昼なら私たちでもいただけます。歴史あるお店ですので、お座敷や階段に古いお写真が飾ってあり、いろいろ説明もしてもらえます。坂本竜馬の妻のおりょうさんはここで働いていたし、お客には維新の偉人たちも。その頃、すぐ外は海岸だったんですが、今では想像もつかないビルの海。お店の前の道を、広重の浮世絵に見立ててレディーバードを走らせました。道のカーブの具合とか、今もそのままに見えます。




青木橋

今回の取材をするきっかけになった場所。たくさんの人が何の気なしにクルマを走らせたりバスを降りたり歩いたりしている、名所でもなんでもない、ただの橋で交差点ですが、ここを基点にして「神奈川宿の旅」が広がりました。



初出:ノスタルジックヒーロー 2019年6月号 Vol.193

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

スバル360で素敵探検 大貴 誠のレディーバードの旅 第46回(全3記事)


関連記事: レディーバード

関連記事: スバル 360


後編に続く

text:Rueka Aoki/青木るえかphoto:Rumi Matsusima/松下るみ

RECOMMENDED

RELATED

RANKING