<神奈川宿>「明治時代のみなとみらい」横浜の街ができた歴史の転換点となった場所|スバル360で素敵探検 大貴 誠のレディーバードの旅 第46回 前編

みんなの知らない 「トラディショナル横浜」をさがしに

       
港町横浜。むかし海だった場所に行ってみた。そこにあったのは……?

【スバル360で素敵探検 大貴 誠のレディーバードの旅 第46回 前編】

横浜といえば、神奈川県で、いや日本でも有数の大都市ですが、昔、神奈川県でいちばん栄えていたのは神奈川。東海道の「神奈川宿」です。浮世絵「東海道五十三次」の「神奈川」に、海辺の街道に茶店や旅籠が並んでる様が描かれて、最盛期には千軒以上の賑わいだったそう。

そのことを知って以来、神奈川宿にはぜったい行こう! と決めていたのです。それで、そのあたりを何回も歩き回ったりしていました。ついに今回取材決行。

神奈川宿は、京浜急行の神奈川駅が最寄り駅。県と同じ名前なのにジミな駅として話題になったりしてますが、その神奈川駅のすぐ前に「青木橋」という交差点があります。

そこは、まわりを高台が囲んでいてお寺の本堂が清水の舞台みたいに突き出していたり、でもJRや京急や国道一号線が谷間に走っているという高低差が激しい地形になっています。

もともとは黒船来航で漁村だった横浜港をお台場として拡げて整備するために、神奈川宿周辺の山を切り崩して埋め立てた(それを拡げていったところが今の横浜駅……「明治時代のみなとみらい」みたいなとこだったのか)、その切り崩された谷間が青木橋、なんだそうです。青木橋というところは、横浜という街ができる、いわば歴史の転換点みたいな場所なんですよ。

【画像22枚】今回は神奈川宿を探検。もともとは海だった埋立地で、いわば「明治時代のみなとみらい」だ




神奈川駅とさくら旅館

京急神奈川駅前にある創業六十八年になる「さくら旅館」。電車からもネオン看板が見えて注目してる人も多いはず。このあたりは、神奈川宿で古くからの旅館が何軒もあったのに、今はこちらぐらいだとか。素泊まりのみですが、なつかしい昭和の旅館です。最盛期には、今の横浜よりもずっと賑わっていたという神奈川駅周辺の、その最後の匂いを感じさせてくれます。




神奈川宿と田中家

広重の五十三次「神奈川」、神奈川区民センターや神奈川図書館でじっくり史料見てから、神奈川宿に今も残る「田中家」へ。格式の高い料亭ですが、お昼なら私たちでもいただけます。歴史あるお店ですので、お座敷や階段に古いお写真が飾ってあり、いろいろ説明もしてもらえます。坂本竜馬の妻のおりょうさんはここで働いていたし、お客には維新の偉人たちも。その頃、すぐ外は海岸だったんですが、今では想像もつかないビルの海。お店の前の道を、広重の浮世絵に見立ててレディーバードを走らせました。道のカーブの具合とか、今もそのままに見えます。




初出:ノスタルジックヒーロー 2019年6月号 Vol.193

(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

スバル360で素敵探検 大貴 誠のレディーバードの旅 第46回(全3記事)


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中編に続く

text:Rueka Aoki/青木るえかphoto:Rumi Matsusima/松下るみ

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