GT-Rのパフォーマンスを絶対的なものにすることが目的だったVスペック|1993年式 日産 スカイライン GT-R VスペックⅡ【2】

ホールド性の向上と窮屈感の解消。この相反する特性を両立したモノフォルムバケットシート。ちなみに、GT-R系はすべて4名乗車となる

【R32という存在  1993年式 日産 スカイライン GT-R Vスペック vol.2】

 アテーサE-TSの特性を最大限に活かせるよう、制御システムもチューニングされた。そしてVスペックの登場とともに基準車は一部改良が行われ、クラッチの構造を従来のプッシュ式からプル式に変更。操作性や耐久性が向上したのである。

 このように、グループAレース3年連続全戦優勝記念という触れ込みで登場したVスペックだったが、その内容を見ればGT-Rのパフォーマンスを絶対的なものにすることが目的だったことは容易に分かる。ちなみに翌年には、40/45サイズタイヤが認可されたことから、245/45R17タイヤを新たに採用。「VスペックⅡ」としてリリースされた。

【画像15枚】取材車両はR34GT-Rのファンを装着。これにより、風量が増して冷却性能もアップするそうだ。なお、ラジエーターアッパーホースに付いているのは水温センサー。Vスペックは基準車よりも容量の大きいブレンボ製キャリパーを装着しているので、マスターシリンダーも専用品となる


>>Vスペックは基準車と同じ大型リアスポイラーのみ。GTS系よりも全幅が60㎜ワイドになり、リアフェンダーのボリュームが増していることが、このアングルからも分かるだろう。

>>GTS系にはないグラマラスなフォルムもGT-Rの魅力。Vスペックはグレードを示すステッカーがなかったが、取材車両にはVスペックⅡのものが貼られている。
>>GTS系にはないグラマラスなフォルムもGT-Rの魅力。Vスペックはグレードを示すステッカーがなかったが、取材車両にはVスペックⅡのものが貼られている。


スカイライン GT-R Vスペック(BNR32)
全長×全幅×全高(㎜) 4545×1755×1355
ホイールベース(㎜)  2615
トレッド(㎜) 1480(前後とも)
車両重量(㎏)  1500
エンジン型式  RB26DETT型
エンジン種類 直列6気筒DOHCツインターボ
総排気量(cc) 2568
ボア×ストローク(㎜) 86.0×73.7
圧縮比8.5:1
最高出力(ps/rpm) 280/6800
最大トルク(㎏-m/rpm) 36.0/4400
変速比 1速3.214/2速1.925/3速1.302/
4速1.000/5速0.752/後退3.369
最終減速比 4.111
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション マルチリンク(前後とも)
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 225/50R17(前後とも)
発売当時価格 526.0万円


【3】へ続く


初出:ハチマルヒーロー2017年1月号 vol.39
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1993年式 日産 スカイライン GT-R Vスペック(全3記事)

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TEXT:Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO:RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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