全戦優勝という圧倒的な強さを見せつけたGT-Rの記念車、Vスペックの誕生|1993年式 日産 スカイライン GT-R VスペックⅡ【1】

この個体は後期なので、前期よりもヘッドライトのプロジェクター部分が大きい。また、リップスポイラーはボディと同色に塗装済み

       
【R32という存在  1993年式 日産 スカイライン GT-R Vスペック vol.1】

日産の技術を総集約したRB26DETT型エンジンや電子制御トルクスプリット4WDシステム・アテーサE-TSなどにより、当時の国産車では群を抜くパフォーマンスを手に入れたGT-R。その実力はモータースポーツシーンでも実証され、グループAレースでは1990年のデビューから3年連続で全戦優勝を飾り、圧倒的な強さを見せつけた。そして、その偉業を記念して93年2月にリリースされたのがVスペックだ。



 正確にはパックオプション扱いだったVスペックは、エンジンやミッションといった基本的なメカニズムは基準車と同じ。ただし、ブレーキとタイヤ&ホイールに大きな変更が施された。いちばんの見どころであるブレーキは、モータースポーツで高い実績を誇るイタリア・ブレンボ社製アルミキャリパーを採用。フロント4ポット、リア2ポットのキャリパーは純正よりも大容量で、ローターもそれぞれφ324㎜/φ300㎜まで拡大された。そして基準車のタイヤは225/50R16サイズだったが、Vスペックでは225/50R17のBS・ポテンザRE010を装着。組み合わされたのは、冷却効果が高く、軽量で高強度のBBS製鍛造ホイールだ。


【画像14枚】17インチのBBS製鍛造アルミホイールを装備し、国産車初のブレンボ製ブレーキを採用。前は4ポットキャリパーにφ324㎜ローター、後は2ポットキャリパーにφ300㎜ローターを組み合わせる。これらに合わせ、アテーサE-TSのシステムもチューニングされた

この個体はHKSの車高調でローダウン。なお、Vスペックはタイヤ外径が大きくなったため、カタログ上の全高は15㎜、最低地上高は5㎜高くなった。
>>この個体はHKSの車高調でローダウン。なお、Vスペックはタイヤ外径が大きくなったため、カタログ上の全高は15㎜、最低地上高は5㎜高くなった。


スカイライン GT-R Vスペック(BNR32)
全長×全幅×全高(㎜) 4545×1755×1355
ホイールベース(㎜)  2615
トレッド(㎜) 1480(前後とも)
車両重量(㎏)  1500
エンジン型式  RB26DETT型
エンジン種類 直列6気筒DOHCツインターボ
総排気量(cc) 2568
ボア×ストローク(㎜) 86.0×73.7
圧縮比8.5:1
最高出力(ps/rpm) 280/6800
最大トルク(㎏-m/rpm) 36.0/4400
変速比 1速3.214/2速1.925/3速1.302/
4速1.000/5速0.752/後退3.369
最終減速比 4.111
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション マルチリンク(前後とも)
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 225/50R17(前後とも)
発売当時価格 526.0万円

【2】へ続く


初出:ハチマルヒーロー2017年1月号 vol.39
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1993年式 日産 スカイライン GT-R Vスペック(全3記事)

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TEXT:Rino Creative/リノクリエイティブ PHOTO:RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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