自分の趣味の範囲内で、妊婦と子供が安心して乗れるギリギリの時代のクルマ|1993年式 Y30 セドリックワゴン【2】

子育て主婦のための Y30セドリックワゴン

ベンコラ、ディーゼルのY30。およそ子育て主婦が乗るようなクルマではない。そう思ってはいないだろうか。しかし、そんなクルマで幼子を抱えた妊婦さんが日々買い物に出かけている。我々の常識を覆すような女性オーナーは、ハチマル車乗りに明るい未来を見せてくれる。

【1993年式 Y30 セドリックワゴン vol.2】

 大のクルマ好きであるオーナーの夫は、ここぞとばかりに自分の趣味でクルマ探し。もちろん最優先はオーナー、そして子供たち。自分の趣味の範囲内で妊婦、そして子供が安心して乗ることのできるギリギリの時代のクルマとして夫が選んだのが、このY30セドリックワゴンだ。

 しかも製造年月は1993年の7月。この1カ月後にRD28ディーゼルエンジン搭載車が廃止になるので、最終型のディーゼルエンジン搭載セドリックワゴン。それだけに熟成された信頼性のある車体といえるのだ。

 購入時から内装はキレイだったため、修理、修復はエンジンや足回りの消耗品を中心に行った。不安のあるブレーキは前後ともディスクに変更。信頼性重視で、あまりY30に合わせることのないボルクレーシングTE37Vホイールをセット。リアサスペンションは板バネのままで、荷室にモノが増え過ぎても柔らかい乗り味を維持できるようにしており、タイヤも夫はホワイトレターにしたいところを我慢し、あえてヨコハマデシベルを履かせるなど徹底して安心と実用重視の組み合わせを考えた。

【画像18枚】大のクルマ好きであるオーナーの夫は、自分の趣味で、安心して乗れるクルマをセレクト。前席シートは純正のままだが擦り切れなどもなくキレイな状態を保っている。子育て主婦にとっては運転席から助手席への移動がラクで、サイドブレーキレバーなどがないため荷物も置きやすい



>>同じサイズでもハチマル車の場合、ピラーが細く内部に出っ張りも少ないため積載量は同じでもベビーカーなどの長モノが入れやすく、取り出しやすい。ゲートの開き方もハチマル車ならではで、荷室に入れたものが一目瞭然で必要なモノを取り出しやすく、入れるべきものが入っていないかの確認がしやすい。


>>グロリアバンから移植しサフェーサーまでで止めているフロント。夫いわく「アンフィニッシュの美学」だが、オーナーは早くボディ同色にしてほしいとのこと。ホイールはTE37Vでサイズは6.5J×15インチ。タイヤはヨコハマデジベルで、サイズは205/60R15。フロントブレーキはマスターバックからキャリパーまでをSY31から移植。リアブレーキは430用を移植している。



【3】へ続く


初出:ハチマルヒーロー 2016年11月号 Vol.38
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1993年式 Y30 セドリックワゴン(全3記事)

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text:Rino Creative/リノクリエイティブ photo:Makoto Inoue/井上 誠

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