人生の大仕事を抱えた妊婦には旧車は向かない、そんな常識を覆す女性オーナーと家族の話|1993年式 Y30 セドリックワゴン【1】

「故障の不安がなく、安心して乗れます。主人の細かいメンテナンスのおかげです」とオーナー

       
ベンコラ、ディーゼルのY30。およそ子育て主婦が乗るようなクルマではない。そう思ってはいないだろうか。しかし、そんなクルマで幼子を抱えた妊婦さんが日々買い物に出かけている。我々の常識を覆すような女性オーナーは、ハチマル車乗りに明るい未来を見せてくれる。

【1993年式 Y30 セドリックワゴン vol.1】

 ハチマルヒーロー誌では、ハチマル車を「旧車」と呼ぶことをNGとしている。しかし一般的には間違いなくハチマル車、特に80年代車は旧車である。そして、そんなクルマに乗ってはいけないのが妊婦だ。

 いつ止まるか分からない不安感、現代車とは比べるべくもない非快適装備。クルマ好きであれば楽しめるハチマル車も、人生の大仕事を抱えた妊婦には楽しめないクルマに違いない。しかし、そんな考えを覆すような人物に出会った。Y30セドリックワゴンのオーナーの女性である。

 1歳半になる長男を抱え、次男を妊娠中。夫婦二人の時代は、お互い仕事をしていたため通勤のためのクルマを所有。長男誕生時にファミリーカーが必要となったが、家族3人で3台持ちはあまりに不経済ということで、オーナーの通勤車兼ファミリーカーを購入することに。

 そこで問題となったのがオーナーのミニバン嫌い。実はミニバンのカタチが好ましくないという女性は多く、特に現行車種の丸みを帯びたタイプには嫌悪感さえ抱く人もいるという(とある女性向けサイトの管理者の意見)。

 実際はミニバンやミニバンタイプの開発者に女性も多く、子育て世代には便利なクルマであることは間違いないのだが、趣味趣向は変えられない。

【画像18枚】ミニバン嫌いで始まった女性オーナーの通勤車探し。いくら快適性が抜群でも、趣味趣向は変えることができないのだ。2点式シートベルトのリアシートは、チャイルドシート取り付けのため3点式に変更



>>車高はあまり下げすぎず、実用性重視。ちなみに4ナンバー化しており維持費節約に貢献している。


>>ルーフキャリアを装着し、わざとY30カスタム系の流行からは外した雰囲気に。子供が大きくなったら活用できそう。


>>スペアタイヤも装着。マフラーはノーマル。リアサスは板バネのまま。



【2】へ続く


初出:ハチマルヒーロー 2016年11月号 Vol.38
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1993年式 Y30 セドリックワゴン(全3記事)

関連記事:Y30 セドリック

text:Rino Creative/リノクリエイティブ photo:Makoto Inoue/井上 誠

RECOMMENDED

RELATED

RANKING