パンテーラGTS【1】フォードとのつながりを強く持つ、レーシングドライバーが創業したスポーツカーメーカー|サーキットの狼世代へ

ローテク、ローメカも排気量は力なり アメリカ流の発想が生み出した高性能

       

【サーキットの狼世代へ 1973年式 デ・トマソ・パンテーラGTS vol.1】

通称「四国の獅子」が操り、脇役的存在として登場したのがデ・トマソ・パンテーラだ。作中のモデルはグループ4ホモロゲートを意図したGT4だったが、ミュージアム所蔵の車両はGT4のベースとなったGTS。

デ・トマソ自体は、1959年に起業したメーカーで、創業者のアレハンドロ・デ・トマソがレーシングドライバーだったこともあり、立ち上がりは少量生産のスポーツカーを手掛けた。その第1弾が63年のヴァレルンガ、第2弾が66年のマングスタ、そして71年のパンテーラと続いていく。

ヴァレルンガはフォードコルチナのエンジンを使う世界で最も早い時期のミッドシップ・ロードカーで、アルミ製のバックボーンフレームに、FRP製ボディ(最初の5台はアルミボディ)を架装するモデルだった。

次のマングスタは、フォードとのつながりが強くなった時代のスポーツカーで、フォード製189(4.7L)エンジンをミッドシップマウント。アルミ製ボディを持ち71年に生産を終えるまで400台が作られた。

【画像21枚】創業者のアレハンドロ・デ・トマソはレーシングドライバーであり、デ・トマソは少量生産のスポーツカーメーカーとして立ち上がった




>>フロントには「DE TOMASO」のTをかたどったエンブレムが装着される。「パンテーラ」は英語ではPanther、つまり豹を意味するイタリア語である。


1973年式 デ・トマソ・パンテーラGTS

全長×車幅×全高4270×1830×1100mm
ホイールベース2515mm
トレッド 前/後1450㎜/1460mm
車輌重量1420kg
エンジン水冷V型8気筒OHV 縦置きミッドシップ
総排気量5763cc
最高出力266PS/5000rpm
最大トルク45.0kg-m/3500rpm
生産年1970〜1990年
生産台数7298台
生産国イタリア

※スペックは池沢早人師ミュージアムに準じる。


サーキットの狼世代へ 1973年式 デ・トマソ・パンテーラGTS(全3記事)


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【2】に続く

text:Akihiko Ouchi/大内明彦 photo: Motosuke Fujii(Salute)/藤井元輔(サルーテ) Cooperation : 池沢早人師サーキットの狼ミュージアム

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