ハローツインルーフ。この状態でもブラット走れます!|1987年式 スバル ブラット GL【2】

ルーフ中央だけでなく、両側ドア上部にも骨組みが残るため、純粋なTバールーフとはちょっと違うハローツインルーフ。この状態で走行することも可能だ

       
【RVブームへの序曲となったクルマたち 1987年式 スバル ブラット GL  Vol.2】

【1】から続く

 ブラットは、ひと言で説明するとレオーネのピックアップトラック。海外専売車で、日本での国内販売はなし。初代レオーネで初めて登場し、好評だったことから2代目にもラインナップされた。ここに登場するのは、その2代目ブラットである。

 エクステリアはご覧の通り、前半分がレオーネ、後ろ半分がピックアップトラックというスタイリング。シボレー・エルカミーノを思わせる前傾したBピラーが特徴で、これを見るだけで否が応にもアメリカンな雰囲気が伝わってくる。また、Tバールーフのような左右分割式のガラスルーフも設定。これはハローツインルーフと呼ばれ、取り外すことはもちろん、チルトアップで走行することも可能だ。そして、この個体には未装着だが、荷台に装着する簡易シートがオプションで用意されていた。このシートの存在に関しては、税金対策など諸説あるが、現代の日本では考えられない、じつにユニークな装備と言えるだろう。

 メカニズムはレオーネ譲りで、エンジンは水平対向1.8Lの自然吸気シングルキャブとインジェクションターボの2種。トランスミッションは、自然吸気が4速MTと3速AT、ターボは3速ATのみ。そして駆動方式は全車4WDだが、MT車は4WDのハイ/ローとFFを切り替えられるデュアルレンジ4WDが組み合わされた。

>> 【画像20枚】車両の識別番号を表すVINコードが貼られている、アメリカならではのダッシュボードなど。横長のメータークラスター内には、大径のスピード&タコのほか、両脇に小型の電圧、燃料、油圧、水温が収まる。北米仕様なので、スピードとオド/トリップはマイル表示となる




ハローツインルーフと呼ばれるTバールーフだが、この個体は天井のラベルに「FUN-ROOF」と記載されている。仕向け地で呼び名が異なるという説もあるが、残念ながら詳細は不明。





左ハンドルだが、インパネの基本デザインは2代目レオーネと同じ。取材車両はステアリングをナルディGARA3に交換。

1987年式 スバル ブラット GL(JF3・北米仕様)

SPECIFICATIONS. 諸元
全長×全幅×全高(in.) 174.2×64.4×56.9
ホイールベース(in.)  96.3
トレッド前/後(in.) 53.0/53.7
車両重量(lbs.) 2255
エンジン型式  EA81型
エンジン種類 水平対向4気筒OHV
総排気量(cc) 1781
ボア×ストローク(in.) 3.62×2.64
圧縮比8.7:1
最高出力(ps/rpm) 73/4400
最大トルク(ft.lb./rpm) 94/2400
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット
セミトレーリングアーム
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク
リーディングトレーディング
タイヤ 185/70R13(前後とも)
発売当時価格 不明


【3】に続く


初出:ハチマルヒーロー 2016年 9月号 vol.37
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1987年式 スバル ブラット GL (全3記事)

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【1】から続く

text:Rino Creative/リノクリエイティブ photo:AKIO HIRANO/平野 陽

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