「若いころにあこがれたクルマに、オヤジになってやっと乗れた」自分にとってはそれがR-2【1】1970年式 スバル R-2 デラックス

バンパーレス、マーシャルで一番デカいドライビングランプ、さらにはSSグレードにのみ付いていたノーズフィン(両サイドのスポイラー)の力を借りて、ファニーな顔に迫力を足す

       
一番大事なことは速いことか? それとも楽しむことか? そんな疑問に対する1つの回答を見つけた。
参加しているドラッグレースでは、いつもビリ。だが、オーナーの顔はいつも笑顔に満ちている。
そう、楽しむことこそ旧車チューンに一番大事なのだと、彼と彼の「スバルR-2」は教えてくれた!

【1970年式 スバル R-2 デラックス Vol.1】
人気だったてんとうむし(スバル 360)の後継車、スバル R-2

スバルR-2のデビューは1969年8月。スバルの軽の旧車といえば58年に登場したスバル360が代表的だが、1960年代後半は多くのライバルの前に商品力が低下。そこでテコ入れ策として開発・販売されたのがR-2だった。360との一番の違いは室内の広さで、ホイールベースが120mm延ばされたことからライバルたちにひけをとらない居住スペースを実現している。1971年10月には水冷エンジン搭載のモデル(Lシリーズ)も登場したが、翌1972年10月にレックスが発売されたために水冷エンジン搭載車のラインナップは早々に消滅し、1973年2月の生産終了まで空冷エンジン搭載車だけが継続発売された。

「『若いころにあこがれたクルマに、オヤジになってやっと乗れた』みたいな話はよく聞きますが、それは何も高級車やスポーツカーに限ったことではありません。自分にとっての『あこがれの1台』は、R‐2だったんです」


>> 【画像33枚】「熱気を逃がすためにエンジンリッドを開けて走ることが多いのですが、『後ろ、開いたままですよ!』と、よく話しかけられます(笑)」そんな後ろ姿など




>> リアサイドウインドーにデカデカと表示される「3010」のゼッケンナンバーは、モテギストリートシュートアウトで実際に使われているものだ。






>> ドラッグレースで奮闘する、ゆるくて熱い空冷R-2!


1970年式 スバル R-2 デラックス

SPECIFICATIONS 諸元
● エクステリア:ダッジ・バイパー純正イエローオールペイント、前後バンパーレス、けん引フック、
R-2SS用ノーズフィン、マーシャル製902ドライビングランプ×2、FIAMM製エアホーン、
レイヨットタイプフェンダーミラー、自作エアダクト、スーパーデラックス用エンジンリッドエンブレム
● エンジン:0.5mmオーバーサイズピストン、R-2SS用アクセルリンケージ、
ルーカス製添加剤ボトル流用オイルキャッチタンク
● 吸排気系:R-2SS用ソレックス36PHHツインキャブ/インテークマニホールド
● 点火系:日立製レッドコイル、永井電子機器製シリコンプラグコード
● 燃料系:永井電子機器製電磁ポンプ
● サスペンション:(F)キックス製ミニトラック用ショートストロークショックアブソーバー、
トーションバーコマずらし加工、(R)トーションバーボルト緩め加工
● ブレーキ:オートバイ用ブレーキマスターシリンダー流用
● インテリア:ナルディ製クラシックステアリング、オートゲージ製シフトライト付き5インチタコメーター、
大森製タコメーター、汎用電流計/電圧計/気温計/クオーツ時計、ヒューズボックスダッシュボード移設、
Longacre製キルスイッチ、汎用アルミシフトノブ、シフトレバークッション材巻きつけ加工、
純正シートヘッドレスト取り外し、シンプソン製2点式シートベルト、ドア内張りステンレスロールシート張り替え、
リアシート取り外し(スナップオン工具/ケミカル/消火器/スペアタイヤディスプレー、
エンジンサービスホールパンチングアルミ板張り
● タイヤ:グッドイヤーGT80 145/80R10
● ホイール:(R)ダイハツ純正ホイール


【2】に続く


初出:ノスタルジックスピード vol.022 2019年11月号
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1970年式 スバル R-2 デラックス(全3記事)

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text : AKIO SATO(rsf)/佐藤アキオ(rsf) photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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