シビックカントリー「古いホンダエンジンの『キーン』という金属的な音が好きなんです」【3】1983年式 ホンダ シビック カントリー S

木目調サイドパネルは、カントリー発売記念として限定1500台が標準装備で用意され、以降はオプション設定。「右フェンダーと右ドアをこすってしまったため、木目デカールとともに交換しています」とオーナー

       
【RVブームへの序曲となったクルマたち 1983年式 ホンダ シビック カントリー S Vol.3】

【2】から続く

 走行性能面も秀でており、装備も乗用車としての快適性やクオリティー、利便性を高めているのが特徴だったカントリーは、一定の評価と人気で市場に受け入れられ、今でもコアなファンに愛されている。そのひとりが平岩正光さんで、この個体は1992年に購入。「新車で紺色のカントリーを購入して3〜4年乗りました。その後、ホンダのアクティストリート、日産・サニーカリフォルニア、R31スカイラインワゴンを乗り継ぎました」と語るように、オーナーはワゴン好きである。さらに続ける。「スカイラインワゴンに乗っていたとき、中古車店に並ぶカントリーが目に入りました。『あっ!』と思った時にはお店に入っていましたね」。その時に即決したのがこの個体だ。

 こうして25年目に突入したカントリーとの生活。購入時点でデビューから12年、生産終了から9年がたっていたのだから、これまでに多くの苦労を重ねてきたことは容易に想像が付く。しかし、「これまでに大きな故障はほとんどないですし、15〜20km/Lと燃費もいいので、維持費がかからなくてハチマル車の中では乗りやすいクルマだと思っています」とオーナー。生涯、カントリーに乗り続ける意気込みだ。

>> 【画像19枚】唯一の社外アイテム、ブラックレーシングの8スポークホイールや、特徴的な北米サイズの大型バンパーなど。なお、バンパー自体が大型化しているわけではなく、取り付けステーが延長され、その隙き間を埋めるように上部にカバーが付けられている



搭載エンジンは1.5L直列4気筒SOHCのみで、1980年7月からは低燃費かつハイパワーのCVCC-Ⅱに変更。



OWNER’S VOICE

 初めての愛車がホンダZ360で、その後、初代シビック3ドア、初代シビックバン、アクティストリート、シビックカントリー、アクティストリートとホンダ車を乗り継いできた平岩正光さん。その理由を「古いホンダエンジンの『キーン』という金属的な音が好きなんです」と話す。これらの歴代車のなかでも「カントリーはサイズ感も使い勝手も良く、とくに気に入っていました」とのこと。中古/新品パーツもできるかぎりストックしているので、この先のカーライフも安心だ。




1983年式 ホンダ シビック カントリー S (WD)

SPECIFICATIONS. 諸元
全長×全幅×全高(㎜) 4.085×1.580×1.380
ホイールベース(㎜) 2.320
トレッド前/後(㎜) 1.360  /  1.380
車両重量(㎏) 870
エンジン型式 EM型
エンジン種類 直列4気筒SOHC
総排気量(cc) 1,488
ボア×ストローク(㎜) 74.0×86.5
圧縮比 9.3:1
最高出力(ps / rpm) 80 / 5,500
最大トルク(㎏-m / rpm) 12.3 / 3,500
変速比 1速 2.047 / 2速 1.370 / 3速 0.969
後退 1.954
最終減速比 3.105
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ前/後 ディスク
リーディングトレーリング
タイヤ 155SR13(前後とも)
発売当時価格 108.1万円


初出:ハチマルヒーロー 2016年 9月号 vol.37
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1983年式 ホンダ シビック カントリー S  (全3記事)

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【1】【2】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : SATOSHI KAMIMURA/神村 聖

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