ホンダ初のステーションワゴンは、低燃費かつハイパワーのCVCC‐Ⅱ搭載

ストライプ柄の合皮とファブリックのコンビシート。カントリーには後席に4段階のリクライニング機構が付く

       
【RVブームへの序曲となったクルマたち 1983年式 ホンダ シビック カントリー S   Vol.2】

【1】から続く

 アウトドアレジャーに積載能力の高いライトバンを使用するユーザーが多くなっていった1970年代後半。いち早く小型ステーションワゴンを発売したのがホンダで、1980年1月にシビックカントリー(以下カントリー)を登場させた。カントリーは1979年7月にデビューした2代目シビック、通称「スーパーシビック」がベースとなっている。さらに言えば、同年9月に追加されたシビックバンとボディを共用。しかし、質感を高めたフルトリムとカラーコーディネーションが用いられた室内、テールゲートのロックがスイッチ操作で解除できる電磁式テールゲートオープナーなどを採用し、乗用車としての快適性やクオリティー、利便性を高めているのが特徴だ。もちろん、積載能力の高さはシビックハッチバックの比ではない。

 加えて、シビック由来のFFレイアウトもアドバンテージに。まだまだFRレイアウトが多いなか、カントリーはFFのメリットを生かして、広い室内を確保。それはそのまま居住性や積載性の高さにつながり、ワゴンとしての素性の良さを持っていたのだった。さらに、搭載エンジンは1.5L直列4気筒のみだが、1980年7月に低燃費かつハイパワーのCVCC‐Ⅱに換装。同時にATのホンダマチックにオーバードライブ機構を追加(デビュー時はなし)。サスペンションは4輪独立懸架と、走行性能面も秀でていた。

>> 【画像19枚】1.5L直列4気筒SOHCのみで、1980年7月からは低燃費かつハイパワーのCVCC-Ⅱに変更となった搭載エンジンなど




ステアリングホイールは初代シビックSB1用に交換。「ウッド部分は自分で磨いてキレイにしました。ところどころ磨きすぎちゃいましたけど」とオーナー。





外側が速度計、内側が回転計の特徴的な2重サークル形状のメーター。「集中ターゲットメーター」と名付けられている。





後席は一体可倒式でラゲッジスペースの拡大が可能。ホイールハウスの張り出しが小さく、実用性が高い。


1983年式 ホンダ シビック カントリー S (WD)

SPECIFICATIONS. 諸元
全長×全幅×全高(㎜) 4.085×1.580×1.380
ホイールベース(㎜) 2.320
トレッド前/後(㎜) 1.360  /  1.380
車両重量(㎏) 870
エンジン型式 EM型
エンジン種類 直列4気筒SOHC
総排気量(cc) 1,488
ボア×ストローク(㎜) 74.0×86.5
圧縮比 9.3:1
最高出力(ps / rpm) 80 / 5,500
最大トルク(㎏-m / rpm) 12.3 / 3,500
変速比 1速 2.047 / 2速 1.370 / 3速 0.969
後退 1.954
最終減速比 3.105
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ前/後 ディスク
リーディングトレーリング
タイヤ 155SR13(前後とも)
発売当時価格 108.1万円


【3】に続く


初出:ハチマルヒーロー 2016年 9月号 vol.37
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1983年式 ホンダ シビック カントリー S  (全3記事)

関連記事:RVブームへの序曲となったクルマたち

関連記事:シビック



【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : SATOSHI KAMIMURA/神村 聖

RECOMMENDED

RELATED

RANKING