思い出の宝物をあのころの姿に戻すためのレストア|1974年式 いすゞ 117クーペXG【1】

1974年式いすゞ117クーペXG

       


ノスタルジックカーストーリー


【父親から娘へ受け継いだ117クーペ 1974年式 いすゞ 117クーペXG vol.1】

 子供の頃に触れたクルマは、一生のクルマ趣味を左右することも少なくない。特に親の乗っていたクルマは、子供時代の思い出と共に存在している。そんな思い出のクルマに、今も乗り続けるオーナーを紹介しよう。

 1968年に発売されたいすゞ117クーペは、ジョルジエット・ジウジアーロによる流麗なデザインを再現するため、手作業で生産されていた。そのために「ハンドメイド」と呼ばれるこの初期モデルは、生産数も少なければ価格も高価だった。その後、73年に登場した中期モデルは、本格的に量産化され、コストダウンに伴って入手性も向上することになった。

 そんな量産丸目の117クーペがオーナー家にやってきたのは74年のこと。当然ながら新車で、現オーナーの父親が、フローリアンからの乗り換えで購入したものだ。現在の視点からみれば貴重な旧車だが、当時としては素敵な新車であり、オーナー自身もこの117クーペでいろいろなところへ連れて行ってもらった記憶があるという。

 オーナーが成長し、運転免許を取得すると、父親は社用車で移動することが多かったことから、117はオーナーが乗るようになった。そもそも仮免許の練習もこの117で行ったというほどで、オーナーのカーライフはすべてこの117クーペと共にあったと言えるだろう。

【画像24枚】オーナーのカーライフをすべて共にしてきたとも言える1974年式 いすゞ 117クーペXG



>>唐獅子のエンブレムは117クーペの大きな特徴だが、世代ごとに少しずつ変化している。台座に乗っているのが量産丸目モデルの特徴。

>>73年に登場した中期モデルは、本格的に量産化され、コストダウンに伴って入手性も向上することになった。

>>グレード名を示す「XG」のエンブレムは、Gの文字の内側がDOHCエンジンを示す赤色に色さしされている。

1974年式 いすゞ 117クーペ XG


全長4310mm
全幅1600mm
全高1320mm
ホイールベース2500mm
トレッド前/後1325mm/1320mm
最低地上高180mm
室内長1675mm
室内幅1290mm
室内高1070mm
車両重量1335kg
乗車定員4名
登坂能力tanθ0.52
最小回転半径5.2m
エンジン型式G180W型
エンジン種類水冷直列4気筒DOHC
総排気量1817cc
ボア×ストローク84mm×82mm圧縮比 9.7:1
最高出力125ps/6400rpm
最大トルク16.2kg-m/5000rpm
変速比1速3.207/2速1.989/3速1.356/4速1.000/後退3.592
最終減速比4.100
燃料タンク容量56L
ステアリング形式ボールスクリュー式
サスペンション前/後 コイルスプリング式独立懸架ダブルウイッシュボーン/半楕円形リーフスプリング(トルクロッド付)
ブレーキ前後ともディスクブレーキ
タイヤ前後とも6.45-14-4PR
発売当時価格167.7万円

【2】へ続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2019年2月号 vol.191
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1974年式 いすゞ 117クーペ XG(全3記事)

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photo:Ryota Sato/佐藤亮太

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