「量産丸目」117クーペ中期型。その走りを楽しむモデルに、DOHCを搭載したXG-J【1】1976年式 いすゞ 117クーペ 1800XC-J

走りを楽しむモデルに、DOHCを搭載したXG-J

       
いすゞの名車117クーペは、高い完成度と上品さがあり、下手なモデファイではバランスが崩れてしまう。そんな117のバランスを守りつつ、エンジンをDOHCにスワップしオリジリティのある外観とした、大胆な「楽しめる」117クーペが誕生した。

【 1976年式 いすゞ 117クーペ 1800XC-J Vol.1】

旧車の個性と不変な所にひかれたというオーナー。ベレットを見てみようと訪れたイスズスポーツで117に試乗し、感性に訴えかけるような走りに一瞬でとりこに。それまで多くの趣味グルマを乗り継いできたが、運命的に出合った117には一生乗り続ける決心をしている。

 ジョルジエット・ジウジアーロのデザインで知られる117クーペは、その生産時期によって大きく3つに分類される。1968年に発売された前期型117クーペは、ジウジアーロデザインを再現するため、ボディを手作業で仕上げていたことから通称「ハンドメイド」と呼ばれている。
 1973年には、手作業をやめて製造を機械化し、量産を開始。「量産丸目」などと呼ばれるこの中期型は、手作業でないと再現できなかった部分など、細部のデザインを見直したほか、フロントグリルやテールランプのデザインが変更された。そして、1977年にはヘッドランプが丸形4灯から角形4灯に変更された後期型が登場することになる。
 117の歴史を大きく分類するとこのようになるが、中期モデルの販売中に、もう1つ大きな変革点が存在した。それが排ガス規制への対応だ。

>> 【画像25枚】本来は排ガス規制に対応するためにECGIとなっているが、ソレックスの2連キャブレターとすることで、規制前のフィーリングを取り戻している、スワップされたG180W型エンジンなど



>> 純正はタルボ型でボディカラー同色のフェンダーミラーだが、ハンドメイドの砲弾型ミラーに換装している。



>> XC-Jの特徴である前後ストライプに合わせ、サイドにもストライプを追加してスポーティーにし、ショルダーラインの美しい曲線も引き立てている。さらにエンジンと足回りがXG相当、ということで「XG-J」のデカールを作成。





>> 量産モデルで追加されたリフレクターを外してスムージングし、ハンドメイド風に。フロントのラジオアンテナも同様に外している。



1976年式 いすゞ 117クーペ 1800XC-J(PA95SJ)

SPECIFICATION 諸元
エンジン:G180W型にスワップ(水冷直列4気筒DOHC、125ps / 6400rpm、16.5kg-m / 5000rpm)
吸気系:ソレックスPHH
排気系:ワンオフタコ足 / マフラー(ともに藤壺製)
エクステリア:ボディサイドにストライプ+オリジナルエンブレムデカール、フェンダーミラー前期型に換装
電装系::ヒューズボックス変更、LED / リレー系統等の最適化
サスペンション:ISPオリジナルダウンサスキット、フロントISP軽量強化スタビライザー、KONI製ショックアブソーバー
インテリア:メーター本体パネルを赤色塗装、シート前後とも赤 / 黒の2トーンに張り替え
ステアリング:ナルディ スポーツタイプAパンチングレザー・レッドステッチ
タイヤ:グッドイヤーGTエコステージ 前後とも165 / 70R14
ホイール: ハヤシレーシング テクノレーシング 前後とも14×6.5J 【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2018年6月号 vol.187
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1976年式 いすゞ 117クーペ 1800XC-J(全3記事)

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【2】へ続く

text:NOSTALGIC HERO/編集部 photo:MAKOTO INOUE/井上誠

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